thinking

所ジョージとパウル・ツェラン

昔読んだ『広告批評』に所ジョージさんのエッセイがあった。 その内容を今でも覚えていて、自分の指針となっている。 それは、会話において言葉をブーメランのようにどんどん投げる、というものだった。 もしかすると記憶違いもあるかも。 所ジョージさんは…

人は人を真似て組織を作るのではないか~スピノザと安部礼司

スピノザのコナトゥス=自己存続の努力は、人によって設立された組織にも生じる。 それは、人は自分を真似て組織を作るからではないか。 ピラミッド型組織は、デカルト的な心身二元論によって作られる。 しかし、実際はスピノザ的に組織は動いている。 そん…

『リスボン大地震』を読んで色々と考えたよ~独裁者カルヴァーリョによる首都直下型地震からの復興

能登半島地震があったからニコラス・シュラディ『リスボン大地震』を読んだのは間違いない。 遠方の首都直下型地震の歴史から学ぶことがありそうな気がした。 思いついたことは、Twitterにツイートした。 それを振り返りながら下記を書く。 リスボン地震 リ…

共感疲労から進化していない人間の脳の問題

「共感疲労」という言葉をテレビで見た。 災害や事故の衝撃的な映像を見過ぎたりして疲労するらしい。 それはある。 人間の脳は、狩猟採集民の頃から進化していない。 色んな本でそれを見る。 人は、衝撃的な場面を見るとアドレナリンが出る。 興奮する。 興…

コンビニ人間に接続した機械が書いた文章

妻に薦められて読み始めた村田沙耶香さんの『コンビニ人間』。 冒頭の描写で引き込まれた。 そして、自分の思考が回り始めて読書が止まった。コンビニ人間 (文春文庫)作者:村田 沙耶香文藝春秋Amazon 機械になる快楽 私が好きなアンディ・ウォーホルの言葉に…

キレる老人が増えている仮説

よく報道で「最近、キレる老人が増えている」ということが言われる。 現実でも聞く。 それを誰か数字で示して欲しいのだが、見たことが無い。 そこでとりあえずの仮説を思いついた。 それは、「団塊の世代+戦争を知らない世代」仮説だ。 団塊の世代 団塊の…

分散思考とライティングの哲学: アウトライナーの力で広がる思考の多様性

千葉雅也さんの『現代思想入門』からの流れで今『ライティングの哲学』を読んでいる。 読んでいると自分も何か書きたくなるので、それだけでも有用だ。現代思想入門 (講談社現代新書)作者:千葉雅也講談社Amazonライティングの哲学 書けない悩みのための執筆…

ハーバーマスとマネジメントと医療

大澤真幸さんの『社会学史』を読んでいて、ハーバーマスがマネジメントあるいは経営に活用できる気がした。 具体的には、道具的行為とコミュニケーション的行為。 おそらく職場において管理職としてマネジメントを実践するにあたって、経済的効率性からは外…

何者にもなれなかった私へ~Perfect Days

結局、何者にもなれなかった。 ホームランを打つことができず、プロ野球選手にはなれなかった。 コツコツと勉強することができず、京都大学へは行けなかった。 小説も一本も書けず、応募すらできていない。 コツコツと資料を集め、粘り強く考察し、評価され…

医師の働き方改革とマルクスとメイ・サートン

中途覚醒から不眠に陥っている。 深夜3時を回った。 スコッチウイスキーハイボールの350ml缶を開けた。 大丈夫、車通勤ではない。 これは松本圭二の方法でもある。 そして、ちょっと思い付いたことをこうしてブログにする。 読んでいるのは、メイ・サートン…

マスクを外した顔を初めて見ると確実に失望するのはなぜかという仮説

コロナ禍で初めて会った人や仕事の同僚は最初からマスク姿で、マスクを外した顔を知らなかったりする。 そして、初めてマスクを外した顔を見た時、どうしても違和感を感じてしまう。 率直に書くと「思っていたよりカッコ悪い」のだ。 おそらくそれはマスクを…

親業で鬱を脱構築する~近藤康太郎『三行で撃つ』

親だけではない、夫としても、仕事でも、役に立っていない感が強くて、日々、つらい。 ♫Amazon Music の「ポストロック」というステーション 上も下も「役に立たない」 不眠もつらい。 寝不足のため、昼休みは無印良品のネックピローが欠かせない。 パワーナ…

「高原社会」ではサラリーマンよりユーチューバーの数の方が多くなるかもしれない

「高原社会」は山口周さんの言葉である。 世界は物質的な繁栄をほぼ達成した。 人々の幸福度は高止まりしている。 それは「停滞」ではなく「祝祭の高原」だろうと。 その「高原社会」でどのように生きるか。 もはや経済成長再びは通用しないのではないか。 …

暇と退屈に対抗できるサラリーマンという偉大な発明に感謝

ほとんどの人は「暇と退屈」に耐えることができない。 だから、サラリーマンという発明は偉大だと思っている。 感謝。 たとえば本当に好きなことがあれば、それに向かって邁進すればいい。 けれども、多くの凡人にそんな「情熱大陸」なんて無い。 そうであれ…

自己に集中しつつ、周囲の観察をおこたらない

「自己に集中しつつ、周囲の観察をおこたらない」ということを思いついた。 精神衛生的には、自己に集中した方がいい。 しかし、人の親であったり、人の夫であったり、組織で仕事をしているうえでは周囲の観察も必要だ。 通勤時に自己に集中し過ぎると、交通…

「年配男性」という問題

散弾銃で立てこもった男性が医師を殺害した事件、記憶に新しいクリニックの放火殺人事件。 そして、読み始めた伊藤伸さんの『あなたも当たるかもしれない、「くじ引き民主主義」の時代へ』を読んでいて、すべての問題は「年配男性」にあるのではないかと思い…

誤読される前提のジャブ仕事術

仕事術と書いたけれど、心構えみたいなものか。 自分は、仕事においては「誤読」は仕方ないと覚悟している。 どんなに言葉を尽くしても、丁寧にメールを書いても、相手に歩み寄っても、伝える技術を向上させても、仕事の相手は、どんなに頭がいい人、実績の…

年越しに特別なことはせずフラットに過ごす流儀

2021年1月1日は自然と7時前に目が覚めた。 昨夜は、NHK紅白歌合戦で久しぶりに紅組が勝ったことを見届けて就寝した。 二階堂ふみと椎名林檎の微笑ましいやり取りで紅組が勝ったと思った。 あるいは、大泉洋を人選した段階で白組は負けてもいいんじゃね感が…

お盆休み明け(連休明け)は今・ここをすぐに言語化しないこと

お盆休みのような長期休暇、連休明けについての自分なりのコツについては今までも色々書いています↓ akizukid.hatenablog.com akizukid.hatenablog.com akizukid.hatenablog.com akizukid.hatenablog.com akizukid.hatenablog.com今回、連休明けには言語化し…

GWの #StayHome は退屈するのにもっていこい

ゴールデンウイークGWを自宅待機するのは、まあ退屈だよね。 だから、バーベキューとかやりだす人がいる。 退屈に耐えられないんだと思う。 だから、自分一人、自分たち家族ぐらい、屋外で遊んでも大丈夫だろう。 そういう感覚なのだ。 スマホやTwitterで暇…

思い出せなくていい~リメンバー・ミー

映画『リメンバー・ミー』は記憶を重視しすぎではないか。 子どもが見ているのを横目でちらっと見た感想だ。 だから、見る気がしない。 そもそも、人はその人を覚えている人がすべて死んだ時に二度目の死を迎える、ということはよく言われるが、この記憶され…

自分以外の何かへの関心

自分の心や気持ちにばかり注目しているとろくなことにならない。 何か自分以外の対象に没入するようにした方がよいだろう。 その没入の際にも、自分の心にとらわれず、できる限り対象そのものに向かうよう心がけた方がいい。具体的には投資の勉強なんか、い…

納得と理解〜カント「啓蒙とは何か」①

新型コロナウイルスに関連して「納得と理解」というキーワードで色々考えながら、Twitterに連投している時に、ちょうどカント「啓蒙とは何かーー「啓蒙とは何か」という問いに答える」を再読して、冒頭部分で接続した。 啓蒙とは何か。それは人間が、みずか…

出張定番ホテル

先日、一泊二日の出張があった。 泊まったホテルがちょうど良かった。 そこは駅から近い。 また、宿泊料金は朝食バイキング付きで安い。 さらに朝食後コーヒーを部屋に持ち帰ることができる。 それで部屋がオフィスになる。 出張の際は、なるべくホテルの部…

インプットから30年後のアウトカム〜田中泰延さんと起業家たちの違い

田中泰延さんは若い時に、のちに上場企業を作り出す起業家のたまごたちと働いている。 名前を見ると、きら星のような面々だ。 田中泰延さんと他の起業家たちを分けたものは何か? ということを考えた時に、インプットとアウトプットの間の時間の距離の違いで…

文学の効用

文学の効用文学は、ままならない現実に対する甘い復讐である。 この機能は文学に限らず、その他のジャンルへ拡大していくことが可能である。 たとえば映画、ゲーム、その他のアート、ダンス。 およそ人間が情熱を向ける対象はすべて冒頭の意味での「文学」に…

出勤5分前の何もしない時間

最近、出勤5分前に準備を終えて、何もしない時間を過ごしている。 その時間では、スマホに触ったりせずに、ぼんやり座って過ごす。 ぼんやり過ごしていても、自然と頭は回る。 その空白の時間を過ごすことで、頭をリフレッシュするのだ。 また、勝手に動く…

めんどくさいというスタイル

もう44歳だもんね、そろそろ自分のスタイルで通してもいいんじゃないか。 めんどくさい、というスタイル。 自分の口癖は「めんどくさい」だ。 そして、めんどくさいという口癖は、悪い言葉だとよく言われる。 その常識に抵抗したい。 めんどくさいを美学まで…

失敗をきっかけに変化を起こす

マインクラフトで、溺死ゾンビに不意打ちをくらい死んでしまった。 死んだ場所がわからず、地図もロストしてしまったので、リスポーン(再生)後にアイテムを回収できなかった。 かなりショック。 そこで、プレースタイルを変化させることにした。 整備され…

人間存在ストレス

自分には人間関係のストレスがほとんど無い。 これは強みだと思う。 ところが、どうも人間存在のストレスがあるようだ。 人間が存在することによるストレス。 いわば人間嫌いだな。 たとえばその人の癖になっている所作や音が神経に障る。 このストレスに対…