文学の効用文学は、ままならない現実に対する甘い復讐である。
この機能は文学に限らず、その他のジャンルへ拡大していくことが可能である。
たとえば映画、ゲーム、その他のアート、ダンス。
およそ人間が情熱を向ける対象はすべて冒頭の意味での「文学」になりそうだ。
スノーピークの本を読んでいると、現実にキャンプを持ち込む強い意志を感じる。
好きなことを仕事にする強烈な情熱、熱狂だ。
私は私のやり方で甘い復讐をやるのだ。
詩人の松本圭二さんが、新聞記事で語っていた執筆方法をよく覚えている。
サラリーマンなので、平日、子どもを寝かしつけたまま一緒に眠った後、深夜に目を覚まし、そのまま煙草とアルコールで緊張感を高めて2~3時間詩を書いている、ということだった。
それが、松本さんの生きる方法だったのだろう。
自分は、詩を書いているわけではないが、生きるために書いているのは同じだ。
今、深夜に目を覚ますと、1時間、マインクラフトをやっている。
マインクラフトは文学たりえるだろうか。
マインクラフトには自由がある。
ただのゲームに、これほどの自由を感じたのは初めてだ。
ドラゴンクエストは、最初、自由を感じたが、今考えると結局は一本道のストーリーの上を走っているだけだった。
建築にはまる人もいるように、マインクラフトには自由がある。
その自由は文学に接続するような気がする。
ままならない現実は不自由であり、文学によって自由を手にする。
そうした試みが文学なのではないか。
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