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一冊の本を読む

年度末に仕事が忙しい。 だから、読む本は一冊に絞った。 普段、自分は復数の本を並行して読んでいる。 並行読書術だ。 ところが日々が忙しくなってくると、読書が進まなくなる。 そんな時は一冊に絞ることだ。 そうしないと内容も分散してぼやけてしまう。 …

『京大式DEEP THINKING』への違和感

本書を読んでいて感じる違和感、何だろうと思ったら、気づいた。 やたらと括弧「」が多いのだった。 1ページに複数の言葉が「」に入れられている。 それぞれ、その言葉の意味に留保しているようなことだろうが、それが見た目にも、引用にもひっかかりを作る…

『サピエンス全史(下)』を読んだよ〜戦争について考える

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(下)』を読んだ。 滅法おもしろい。 しかし、これをブログにするのは難しい。 論点が無数にあるからだ。 一部を切り取って書くのがいいのかもしれない。イギリスで初めて蒸気機関車が走ったのが1825年。 それから、…

ニーチェの読書術〜本を読んではいけない時期がある

ニーチェ『この人を見よ』はめっぽうおもしろい。 色々な論点もある。 今回は読書について。読書はニーチェにとって「休養」となる。 読書とは私を、ほかでもない、私一流の本気から休養させてくれるものなのだ。仕事に熱心に没頭している時間に、私は手許に…

ダークサイド・スキルの必要性~悪の仕事術

木村尚敬『ダークサイド・スキル』は、自分が求めている本だと直感的に感じた。 自分は長年、「悪の仕事術」について考えて、実践してきたので、それに接続すると思ったのだ。 本書を読んで、悪の仕事術に加える。内容は意外と真っ当だった。 期待していたサ…

私のオプションA はどこだ?

今の仕事は、オプションB だ。 かといって、オプションA は無かった。 それを見つけることができずに、オプションB を選択した。 今からここから離れられるとは思えない。 もしオプションA を見つけ出せば、やむにやまれぬ心で動き出すかもしれない。 ただ、…

ポジティブな面に焦点をあてる~茨木のり子「美しい言葉とは」

自分がぼんやり考えていたことを他の誰かが言葉にしてくれている、と発見するのはうれしいものだ。 ちょうど茨木のり子「美しい言葉とは」を読んでそう感じた。 このエッセイ?は、MUJI BOOKS『茨木のり子』に収録されている。 日本語について多くの人が語る…

ひたすら今・ここにとどまる姿勢〜ソレン・ゴードハマー『シンプル・ライフ』を読んだよ

ソレン・ゴードハマー『シンプル・ライフ』を読んだ。 読みやすい。 Kindle版なので、ハイライトしながらどんどん読む。 目新しいことはなかった。 すでにこの手の情報は十分かもしれない。 項目を絞って、集中してシンプルに実践するだけだ。 表紙を見ると…

非人情で介入せよ〜『最難関のリーダーシップ』をインストールする

ハイフェッツ他『最難関のリーダーシップ』を読んだよ。 自分の仕事に機能しそうだ。 Kindle版で読んだ。 ハイライトを多数付けたので、読み返す。 読み返すことで、自分にインストールして、使える知識にする。 ビジネス書はそのパターンでやっている。 適…

MUJI BOOKS で茨木のり子さんを見つけた~自分の感受性くらい

#無印良品 で見つけた #mujibooks #茨木のり子 さんは、例の「自分の感受性くらい」が載っていたので、即買い。#米原万里 さんは妻へのプレゼント久しぶりのオフィス@スタバのついでに、無印良品へ。 そして、MUJI BOOKS なる本を見つけた。 無印の本? そ…

人生100年時代に『マンガーの投資術』から学ぶ

デビッド・クラーク『マンガーの投資術』を読み始めた。途中で気付いたのは、先に、山崎元さんの解説を読めばいいんじゃないかということだ。 解説を読んでみると、自分の疑問点が鋭く指摘されている。 偉大な企業とは 問題は、〝偉大な企業〟をどうやって見…

ニーチェは僕のスーパースターだ〜『道徳の系譜学』

ニーチェ『道徳の系譜学』を読んだ。 ニーチェは僕のスーパースターだ。本書は、ニーチェによる Twitter の分析のようだ。Twitter にはニーチェが描くルサンチマンに充ち満ちている。そこがおもしろい。禁欲主義は退廃だ。怒りや嫉みといったネガティブな感…

勝手に始めろ、ドン・キホーテのように~『リーダーシップの旅』という情熱大陸

もう何年も前になるが、鹿児島で様々な地域貢献活動をされている永山由高さんが「Tendoku」という読書会ですすめていた本が野田智義+金井壽宏『リーダーシップの旅』だ。なんとなく機会を逃して未読だったが、ようやく読んだ。 ここ数年、Tendoku にも参加…

ハリエット・テイラーとの恋愛はやはり重要な気がする〜J・S・ミル『自由論』

ジョン・スチュアート・ミル『自由論』を読んだよ。 光文社古典新訳文庫 Kindle 版が安くなっていたので買った。 古典をこういう機会にどんどん読もう。自分は、昭和50年1975年生まれで、生まれた時にすでに「自由」が与えられていた。恵まれているよね。で…

シリアルポップな結婚~『困難な結婚』その2

2本目。 内田樹さんの『困難な結婚』を読んでいる。読みながら色々と考えている。電撃的に恋に落ちる、要するに一目惚れについて、そういう暗闇でジャンプするような行為が人類を進歩させてきた、という感じはあると思う。最初に河豚を食べて死んだ人がいた…

チーミングを意識する~『チームが機能するとはどういうことか』を読んだよ

エイミー・C・エドモンドソン『チームが機能するとはどういうことか』を読んだ。 自分が本を読む時は、一文や短いフレーズが気になる。 本書では、たとえば「チーミングはリーダーシップの分散によって可能になる」155 という箇所。これは一文ですらない。…

結婚は困難だが役に立つ~内田樹『困難な結婚』その1

妻が、あれ、これ逃げ恥とおなじことを言ってる、とつぶやいたのが内田樹さんの『困難な結婚』という本だった。そこで、「内田樹 逃げ恥」で Twitter を検索してみると、情報がいっぱい出てきた。「逃げ恥」というのは『逃げるは恥だが役に立つ』というテレ…

ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるのか』を読んだよ 〜くり返しちょっとした子育て実験を行うこと

ポール・タフ『私たちは子どもに何ができるのか』を読んだ。 Kindle 月替わりセールで安かった。その場合、積極的に買って読む。 日本人が書いたビジネス書は吟味するが、外国語で書かれて翻訳された専門書であれば、ある程度信頼できる。翻訳する、という判…

『サピエンス全史(上)』を読んだよ〜狩猟採集民の幸福

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史(上)』を読んだ。下巻はまだ。著者の名前は、進撃の巨人っぽいね。 刺激的な本だった。おもしろくて、たくさん付箋を貼って、ポメラDM200 で引用メモを作りながら読んだ。師走に1週間で読み切った。ホモ・サピエン…

『LIFE SHIFT』を読んだよ~人生において必要となる無数の実験と失敗

リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット『LIFE SHIFT』を読んだよ。政府の政策が、本書のシナリオを採用しており、リンダ・グラットンは政府の委員としてたびたび日本を訪れている。読まないわけにはいかない。官僚と政治家は必ず読んでおくべき本だろ…

米子市立図書館「大人のための100選」何冊読んだことがあるか?数えてみた

米子市立図書館の読書の秋「大人のための100選」が話題らしい。下記リンク先から。Wordファイルかよ。 www.yonago-toshokan.jp自分が、読んだことのある本を下記に並べてみる。 1.ツァラトゥストラかく語りき ツァラトゥストラ(上) (光文社古典新訳文庫)…

『ウォークス 歩くことの精神史』を読んだよ

レベッカ・ソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』を読んだ。 全体的な印象として、期待より文学的だった。抽象的でわかりにくかったり、著者の経験だったり。もっと有用性のあるもの、使えるものを期待していた面はあった。『GO WILD』とかをイメージし…

五藤隆介『フルオートでしか洗濯できない人の男の家事』を読んで、逃げ恥を思い出した

五藤隆介さんの『フルオートでしか洗濯できない人の男の家事』を読んだ。読みながら、思い出したのは、ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』だった。 夫婦の「作戦会議タイム」など、パートナーとコミュニケーションをとりながら家事をするというのが、まさに「…

未来は明るくもなく、暗くもない~『人類の未来 AI、経済、民主主義』を読んだよ

『人類の未来 AI、経済、民主主義』を読んだ。ノーム・チョムスキー、レイ・カーツワイル、マーティン・ウルフ、ビャルケ・インゲルス、フリーマン・ダイソンへのインタビューをまとめたもの。 ノーム・チョムスキー 私が、個人的に気になっているのは、尊敬…

好奇心原理主義~『9プリンシプルズ』を読んだよ

伊藤穣一とジェフ・ハウによる刺激的な本『9プリンシプルズ』を読んだよ。翻訳は、山形浩生とくれば、間違いない。IS によるテロリズムも、インターネットによる「創発」なのだろうと思った。ダークサイドは常にある。「アラブの春」で期待された創発的民主…

アダム・スミス『道徳感情論』を1年かけて読了

ようやくアダム・スミス『道徳感情論』を読了した。Kindle版を買って、1年ほど経過してようやくだ。長かった。確認したら去年の10月6日購入していた。少しずつ読み進めた。 結果、今、自分の中には何も残っていない気がする。ハイライトを読み返してみよう…

『シリコンバレー式 よい休息』を読んだよ

アレックス・スジョンーキム・パン『シリコンバレー式 よい休息』を読了。原題は"Rest"というシンプルなもののようだ。邦題で『よい休息』となり、さらに「シリコンバレー式」と加えられたのは、大人の事情だろう。中身は、今まで様々なところで聞いたような…

夏目漱石『現代日本の開化』~現代日本のイノベーション

講演を文字に起こしたもの。青空文庫で読める。無料なので読むべし。漱石の講演はおもしろかっただろうなとわかる。ふと現代において、漱石にあたる知性は羽生善治さんではないかと思った。特に具体的な根拠は無い。開化をイノベーションに置き換えると、現…

野中郁次郎『知的機動力の本質』を読んだよ〜日本が勝てる気がしない

野中郁次郎さんの『知的機動力の本質』を読んだ。アメリカ海兵隊について書かれた本。学ぶことが多い。たくさん読書メモを作った。メモはポメラDM200 で。それを Evernote にアップして、自分の仕事などにも活かす。メモを再読して自分が使える知識としてイ…

『d design travel KAGOSHIMA』を読んだよ~あえて借りずに図書室で旅するように読む

行きつけの公民館図書室でナガオカケンメイさんが編集長の『d design travel KAGOSHIMA』を偶然見つけた。借りようかと思ったが、図書室のカウンターテーブルと椅子と外に田んぼが見える感じが快適だったので、あえて借りずにその場で読んでみた。読み飛ばす…