チーミングを意識する~『チームが機能するとはどういうことか』を読んだよ

エイミー・C・エドモンドソン『チームが機能するとはどういうことか』を読んだ。
自分が本を読む時は、一文や短いフレーズが気になる。
本書では、たとえば「チーミングはリーダーシップの分散によって可能になる」155 という箇所。これは一文ですらない。文章の中を切り取ったフレーズだ。「分散」に引っかかった。中央集権的じゃない、ということかな。ブロックチェーンとか。で、正月の #ジレンマ2018 で河崎純真さんが言っていた、数十万の国家という希望を思い出した。そこにはチーミングがあるんだろう。

本書は Kindle で読んだので、読みながら、無数の箇所にハイライトを付けていった。それを読み返しながら書いている。
思考が断片的だが、それは自分のスタイルだと思っている。

また、たとえば「他人と本当の意味でかかわるには、染みついたいくつかの習慣を手放すことが必要になる」211 というフレーズにぐっとくる。自分を開くこと。オープンマインド。それが協働には必要。
どれだけ自分の習慣を手放すことができるだろうか。逆に、習慣が多すぎるのだ。コップは空にしないと新しい水は入らない。

酔っ払って書いている。5%ハイボール缶500ml なので、アルコールは25ml 、これは意外と少ない。350ml で9%のストロングゼロの方が、実はアルコールは多い。
チーミングとは関係ないか。
いや、チーミングという言葉の説明が必要か。めんどくさいな。本書を読んでもらえたらいいと思う。仕事には機能する。
学習する組織のために、チーミングが必要となる。
チーミングは動詞だ。」301

リーダーシップの本でもある。別途、『リーダーシップの旅』という本も並行して読んでいる。並行読書術。Kindle で同時8冊。ちょっと多すぎると感じて、2,3冊に絞って読んでいる。
並行読書をすると、偶然に別の本が接続することがある。自分の脳内に新しい回路ができる。
リーダーがメンバーに助けを求めること。リーダーが自分にも限界があることをオープンにすること。そうした姿勢が求められる。
リーダーは上手に質問する必要がある。最初に話してしまうと、メンバーの発言を妨げることがある。心理的安全をうまく作り出す必要がある。失敗は学習の機会だと積極的に示す。

学習する組織は、失敗から学ぶことだ。失敗もまた、オープンにする必要がある。上司やリーダーが失敗に対してとる態度も重要だ。
組織が、失敗を否定的にとらえると構成員は失敗をなかなか認めないようになる。盗人にも三分の理というように、いくらでも成果が出ているという説明はできるので、実質的に成果が出ないプロジェクトが長い間継続されてしまうことがよくある。「損切り」ができないのだ。国家的プロジェクトでは、高速増殖炉もんじゅなどがそうした失敗事例として、学ぶべきことが多そうである。しかし、官僚的組織は、学習する組織ではない。残念ながら、もんじゅの失敗は活かされないだろう。

「部署間の枠を超えたチーミング」929 はずっと考えていること。今の職場は、これがうまくない人が多い。なかよくする必要はない。

率直に意見を述べる、ということに関しては、自分は恵まれている。上司も恵まれたのか、怒られたような記憶もない。心の内では嫌がられているかもしれないが、そこは見えない。
職場を楽しくしたいんだよね。そのためには、率直さはどうしても必要だ。言いたいことを言えないようでは、楽しくない。
本書では、沈黙はほとんど悪だと言われている。
打合せの現場にいれば、陪席であっても、発言すべき時は発言する。そうでなければ、会議室を出た方がましだ。時間がもったいない。
ボスにもめぐまれている。自分の率直さを許してもらっているからだ。ある種の期待に応えてもいるのだろう。

こういったことは、本書の趣旨とは違うかもしれない。しかし、本を読むとは、こうやって自分の思考と接続することだと思う。ドゥルーズガタリ的な読書だ。

コンフリクト(摩擦)を避ける傾向もチーミングを妨げる。忍耐が必要だ。ある種の鈍感さでもいいかもしれない。

「それぞれの立場の背後にある論理的根拠」1315 は、佐藤優さんがよく使う「内在的論理」という言葉を思い出す。相手の内在的論理を理解することが、交渉でも何でも必要なのだ。自分の意見だけを主張しても、物事や組織や人は動かない。正しいことを言うだけで、まったく仕事を動かせない人がいる。学級委員長レベルで成長が止まっている。

「このプロジェクトは胸の躍るような機会に満ちている、と自分に言い聞かせる」2019 重要なのは「自分に言い聞かせる」ことだ。ある種の思い込みを作ると言ってもいいだろう。この仕事は転職だ、と自分に言い聞かせる、など。そうして自分を騙すことは有効だ。

「プロセス知識スペクトル」という言葉をインプットした。

色々と学び、考えることが多く、今後の仕事に活かせる本だった。
1年後とかに読み返してみるとまた違った学びがあると思う。

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ

チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ