藤田晋とphaを並行して読む

藤田晋さんの『渋谷ではたらく社長の告白』とphaさんの『持たない幸福論』を並行して読んでいる。
並行して読んでいるのは、偶然である。
それにしても対象的な生き方の二人だ。
そこがおもしろい。
重要なのは、二人とも生きている、という点だ。
だから、参考になる。
自分は、子育てサラリーマンで、二人とは違う。
それでも、週110時間働いても死なない点や、一方で、仕事を辞めてもなんとかなる点など、学ぶことは多い。
両者のスタイルを自分の中に流し込んで混ざったところで自分のスタイルが生まれると思っている。
思うに、phaさんも、ハードワークはしないというスタイルをハードワークしている気がする。
生きること自体がハードワークで、そのスタイルが人それぞれあるんだなと思う。
どちらの生き方も否定する必要はない。
参考にして、自分のスタイルを構築するだけだ。
他人の生き方を否定したくなる時は、自分が病んでいる時だ。
だから、自分をまず治療しなきゃいけない。
今は、両者の本を読んでも、それぞれ素直に入ってくるので問題無さそうだ。
自分は、状況に応じて、どちらにもなれるようにしたい。
週110時間は、40代としては無理でも週70時間くらいは働けそうな気がする。
家族サービスなどが落ちるだろうけどね。
一時的にはそれもあり。
一方、どうしようもなくなったらphaさんのような生き方は無理でも、その精神はサラリーマンを維持しつつ真似したいところだ。
藤田さんは文庫版あとがきで、

中でもライブドア事件は決して忘れることのできない大きな衝撃を残しました。

と書いている。
サイバーエージェントのHPを見たら、ビジョン「21世紀を代表する会社を創る」にも、

ライブドア事件を忘れるな

とわざわざ明記しているくらい、藤田さんへ与えたインパクトは大きかったんだなあと思う。
若い堀江貴文さんが、原チャリでかけつける場面は印象的だ。
藤田さんは、採用を重視していると。
人材が最重要で、事業内容はその次という感じだ。
これはわかる。
人を集めれば、なんとかなる。

プライドを傷つけられようが、理不尽なことを言われようが、謙虚に、忍耐強く、何があっても絶対にキレないこと、それを胸に誓っていたのです。2872

この教えは深く刻んだ。
藤田さんより年上なのに、藤田さんほどのポジションにいるわけでもないのに、簡単にキレる人がいる。
自分も短気、いらちなので気をつけよう。
藤田さんって結婚しているんだっけ?
そこがよくわからないが、phaさんが結婚は贅沢品みたいなことを書いていたので、藤田さんはどう考えているんだろうな、と思った。
本書の段階では結婚していない感じだが、その贅沢品を選ぶだけの資産はある。
贅沢品なのは確かにそうだと思う。
自分には子ども三人いるので、その三人分の学費を想定して貯金するのに必死に働いている。
贅沢のために身を削って働いているのだ。
それが幾分でも社会の価値を高めていたらいいなと思っている。