西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』を読んだよ〜2回目

以前に一度読んだ西原理恵子『この世でいちばん大事な「カネ」の話』がKindleでセール対象だったので買いました。セールがあるのもKindleならでは。これもまた大事なお金の話。たとえば山崎元さんの本とはまったく違います。

働いていれば、人間、そんなにものごとを悪く考えたりはしないものよ。(1023)

ああ、やっぱりそうなのかと思った。私が最近読んでいるブログで、ゴッホ宮沢賢治は働かなかったからおかしくなった、ということが書かれていた↓
何のために働くのか? : ITスペシャリストが語る芸術
働くのは何のためか?食べるため、お金のため、生活のためって面もあるけど、それだけじゃない。精神衛生的な健康を保つため、という面も大きいんだと思いました。とはいえ毎週日曜日にブルーになる生活から解放されてもみたくなります。細川護煕さんみたいに、好きなことをやって飽きたら東京都知事選挙に立候補してみたい。あの人は「カネ」の心配とかしたことないんじゃないかな。

もしかしてテレビ番組のゴチは、西原さんの『まあじゃんほうろうき』がアイデア元かな?身銭を切って勝負するからおもしろい、という点。

西原さんは書いているけど、ギャンブルにいいも悪いも無いよね。公営だろうがなんだろうが、パチンコは立派なギャンブルです。自分の職場でもパチンコやその他ギャンブルでトラブル人は多いです。あとお酒、アルコール。そして女性問題。要するに「飲む、打つ、買う」です。西原さんの子ども時代もそういう問題ばかり。どれも魅力的なんですよね、だからみんなハマる。危険だから魅力的。危ない危ない。そういう世界から遠く身を置いていても免疫が無いがゆえに一旦何かのきっかけでハマってしまうと身を持ち崩すこともある。家族を巻き込んでしまう。
そういう隙を作らないためにも、毎日、仕事をする、働いて稼いで食べる、寝るってことが大事だと思います。それでも西原さんが身銭を切って体験してくれたことから、こうやって数百円の本で学べるのは費用対効果が圧倒的に高いです。とりあえずギャンブルというか、長期戦の戦いにおいて「退く」ことが大事だとわかります。負けを最小限におさえる。これは投資においても有効な考え方でしょうか。私がお金の運用面の師匠として信用している山崎元さんもお酒とギャンブルが好きですよね。
なるほどいかに負けるか、ってことか。それは、押井守監督の勝負論に通じる感じがあります。
押井守監督の「勝つために見る映画」:日経ビジネスオンライン
というのも、押井さんの映画って決してヒットしていませんよね?失礼!それは押井さんが、例示しているゴダールもお同じでゴダールなんて「勝手にしやがれ」以外は赤字じゃないかと。それなのに映画を撮り続けていられる。それは、負けていても勝っているってことじゃないかな。みんな勝とうとするから失敗する。宮崎駿監督を見るから、大負けする。そうすると映画を撮り続けられない。押井守監督は、自分が宮崎駿とは違うってことを冷徹に認識していて、そこで勝負しているから映画を撮り続けていられるんじゃないか。それは、西原さんが言うところでは、人生は負けることがずっと多いし当たり前なんだから、負けた時の「しのぎ方」をギャンブルで学んだ、ということだと思いました。人生は一発勝負ではなく、長期戦ということですね。
ちなみに前回読んだ時の記事がこちら↓
西原理恵子「この世でいちばん大事な「カネ」の話」を読んだよ - シリアルポップな日々