台風10号で避難所生活初体験して色々

今回、九州の西海上を通過した台風10号は「今まで経験したことのない」台風であり、自宅も「古い木造住宅」ということで、5日夜に家族で避難所へ行くことを決めた。
この「古い建物」をどう判断するか、難しい。
Twitterで「木造住宅」などを検索すると、不安を煽るツイートが多かった。
多くの人は、善意なのだろうが、Twitterは災害時には不安を無駄に煽るので個人のツイートは役に立たないと感じた。

自分の経験上、もっとも強烈な台風経験は1991年の台風19号である。
当時、高校2年生だった自分はたしか文化祭前日で自主製作映画の編集作業に付き合っていたら、急に風が強くなって帰宅できなくなった。
編集機材を借りていた個人の家にそのまま夜まで滞在させてもらった。
窓から外を見ていると、犬小屋が空を飛んでいたのを覚えている。
夜になって風が収まり、自転車で帰宅しようとしたら、それが大冒険だった。
まず、熊本市ほぼ全域が停電していた。
もちろん信号機も機能していない。
自動販売機や家の壁が軒並み倒れていた。
大きな樹木が倒れ道路をふさぎ、そこに軽自動車が突っ込んで止まっていた。
ビルの看板も落下。
そんな戦場のような中をかなり時間をかけて自宅へ帰りついた。

それより大きな被害が台風10号では出るのではないか?
それで避難所へ行くことを決めた。
初めての経験なので、まずは経験するしかない。
6日朝、近くの避難所にまず自転車を走らせて様子を見に行った。
市の職員だろうか、もう畳の部屋はいっぱいになっているとのこと。
そこですぐに家族を含めて移動することにした。
水や食料をリュックサックやクーラーボックスに詰めて。
期待としては、高校生の長男がもっと戦力になればいいのだが、まだ子ども気分=お客さん気分である。
とにかく移動した。
絨毯の部屋。
冷房もある。
窓には鉄線が入っていて丈夫そう。
そこに滞在していると、しばらくして職員の人から移動の依頼があった。
高齢者を入れるため、若い世帯の自分たちは会議室のような部屋、リノリウムの硬い床へ引越した。
座布団と持ち込んだタオルケットがクッションに。
家族5人が寝るには不足した。
寝袋とキャンプ用のマットがあったので、それらを持ち込めば良かったと思った。
あと給湯室があったのでカップラーメンを持ち込めば良かった。
妻がコーヒーを持ってきてくれたのはよかった。
コーヒーは必要だと思った。
パック式のレギュラーがいい。
退屈な避難所生活ではコーヒーのようなちょっとした贅沢、アクセントが大事になる。
意外と日中の昼寝はできた。
夜は家族が寝てしまって自分のスペースが無くなった。
スキマに体を織り込むようにリノリウム床に寝たら、体がバキバキになった。
特に瘦せっぽちで脂肪が不足している尻がめちゃくちゃ痛む。
適度な脂肪も必要だと思った。
それにゴミ袋も必要だった。
思いつかないものである。
部屋の照明がつけっぱなしだったのは、知らない他人と過ごすことを考えると防犯的に仕方ないか。
避難所は頑丈で強風でびくともせず、揺れもせず、停電もなかったが、LEDランタンはあった方が良かった。
つまり、色々、キャンプ用品は避難所生活に役に立つ。
靴下を忘れたが、トイレのスリッパが共有なので水虫などが気になった。
これは必要というより覚書だが、WiMAXは使い物にならなかった。
避難所がエリア外だったのだろうか?
原因不明。
長女が持ち込んだ漫画『ハイキュー!!』が暇つぶしに良かった。
2巻熟読した。
新しい1冊を買ってあげることを約束した。
恩返しだ。
スイッチも役立った。
マインクラフトで時間潰したが、小さい画面はつらいのはつらい。
コンセントから充電可能な避難所だったのは助かった。

持って行ったモノで使わなかったモノも色々ある、それらを入れ替えてリストを充実させたい。
リストはローカルでも使えるGoogle Keepがいいかな。

とりあえず思いついて、NOLTYライツメモ小型版にメモしたことを書いたことなどを書き連ねて備忘録にしておく。
次回の避難の際に読み返したい。
思うに、日常的に避難所に泊まるような訓練があればいいなと思った。
これからは災害を日常に組み込む必要があるのではないか。

結果として大きな被害は無く、夜が明けて暴風域を抜けたところで自宅へ戻った。
自宅も停電などしておらず、被害無し。
「避難しなくてもよかったよねー」と言うために避難所に行った。
それでいい。
なぜ被害が少なかったのか。
1991年台風19号と2020年台風10号のルートを比較してみたい。
ちょっと検索してみたら19号はもっと海側から斜めに長崎県に入ってくるルートだった。
それで台風の東側の熊本県で被害が大きかったのか。
今回は九州の西側の海上を北上するルート。
それにどういう違いがあるのだろうか?

それから市の職員の方々には心から感謝したい。
みなさん自宅も家族もあるだろうに。
今回、避難所にはお世話になったので、防災を充実させるような何か、寄付とか色々貢献できたらいいなと思った。
ちょっと調べて鹿児島市への寄付は7つの取組のうち選択できるようだったが、いずれも抽象的で幅広すぎる、もっと避難所の備品充実など使途を限定したい。
www.city.kagoshima.lg.jp
特に座布団は、寝る時の布団替わりになるし、頭を守るのにも使えるし、普段も使えるし、たくさんあっていいのではないかと思った。
避難所指定で座布団を現物寄附すればいいのかな。

避難所は高齢者が多くて、新型コロナウイルス感染症対策の接触確認アプリcocoaが機能することは期待できないと感じた。
まあ、密になるのも仕方ないよね。
今回の避難所でクラスターが発生するかどうか、これから2週間くらいは注目。

さあ、鹿児島県は暴風域を抜けたみたいで、これからは九州電力のヒーロータイムですね。
お疲れ様です。