鹿児島の地方公共交通バスについて

去年2019年12月13日付けで鹿児島市交通局が、市営バス路線の一部を民間事業者に移譲するというお知らせがあった。
相手方の民間事業者は、鹿児島交通株式会社と南国交通株式会社だ。
それぞれ複数の路線が移譲される。
市営バス路線の一部が民間バス会社の運行に変わります|鹿児島市交通局|人に環境にやさしい市電・市バス
この流れの先には、民間事業者が赤字路線を廃止するシナリオがあるのだろう。
要するに、

  • 市営バス→民間事業者→廃止

と、バス路線全体としては縮小になってしまう。
そんなことをぼんやり考えていたら、行政改革推進会議に関わる中で最も信頼できる一人である伊藤伸さんの記事が目にとまった↓
news.yahoo.co.jp
記事を読むと、地域住民の生活の足の確保のために「地域公共交通確保維持改善事業」という事業で国から補助が行われていることがわかる。
それでも全国的にバス事業者の赤字は解消されず、バス路線は縮小する傾向は止まっていないようだ。

そんなことをつらつら書いていたら、Twitter鹿児島交通のバス路線廃止の情報を知った。
ちなみに鹿児島交通株式会社はまともなホームページが無く、路線廃止の情報はインターネット上には見当たらない。
また、親会社のいわさきコーポレーションにもお知らせ無し。
いつも利用している利用者が、バス停の掲示で知るしかないという有様だ。
その掲示スマホで撮影してTwitterにアップロードしているユーザーがいて知ることができた。
鹿児島交通は、市営バスから移譲を受けながら、不採算及び乗務員不足のために赤字路線は廃止という方針なのだろう。
やはり全体としてはバス路線が縮小する。
鹿児島市内ですらこのような状況なのだから、鹿児島県全体の公共交通の未来は暗いと思う。
伊藤伸さんが書いているように「これまでの固定観念を根底から覆し、あらゆる可能性を探る、まさに抜本的な改善策を考える時期」なのだろう。

ちなみに鹿児島交通の路線廃止のことをツイートしたら、バス停の検索で市営バスと鹿児島交通で同じ場所にあるバス停が別の名称でそれぞれ検索しないといけない、というアホらしい状況がわかった。
民間の鹿児島交通がいつも市営バスを批判したり対立しているのはわかるが、利用者の利便性向上のために、もっと協議して協力できないものかとは思う。

文脈とは関係ないが、鹿児島市営バスや市電(路面電車)は、いわゆる交通系ICカードSuicaSUGOCAなど)が使えない。
ラピカという独自のICカードを採用してしまっている。
観光のうえではマイナスの選択をしてしまったな。
いつ改善されるかな。
ラピカはサンクコストとして、さっさと交通系ICカードに変えたらいいのにね。
脱線するが、なぜかラピカはスマホと干渉する。
自分のスマホGoogle Pixel 3aだが、ラピカのICカードを近づけると、スマホが反応してエラーを返してくる。

このNFCタグをサポートしているアプリはありません。

これはどういう意味だ?
Google先生に聞いてみると、NFCタグは従来のICカードに比べて、安価で無線によるタッチ通信が可能らしい。
NFCは、Near Field Communicationの略語、つまり近距離無線通信となる。
この干渉エラーが出るので、ラピカはスマホのケースには入れられないのだ。
一方、九州地区の交通系ICカードSUGOCAWAONなどはスマホケースに入れていても干渉しない。
これらはNFCタグを使用していないということなのか?
なるほど、NFCタグはICカードに比べると安価だが、QRコードに比べるとコストは高くなる。
中途半端なポジションにあるのかな。
それを鹿児島市交通局のラピカは採用したということか。
で、色々調べているとスマホケースにICカードは入れない方がいい、という情報があった。
スマホの磁気によりICカードが使用できなくなる恐れがあるということらしい。
困った。
やはり持ち歩くカードを減らすか、何か別のカードケースが必要だろうか。
大きく脱線したが、ラピカは変えた方がいいという思いは残った。

さらに調べると、鹿児島は閉鎖的な土地柄で基本的に鹿児島資本の物しか使わない、という意見があった。
確かにそうかもしれない。
企業に関しても鹿児島資本が絡まないと営業が難しい。
たとえばコンビニのファミリーマートなども鹿児島資本が入ったフランチャイズのようだ。
そういった閉鎖性のせいでセブンイレブンの鹿児島進出も遅かったのではないかという気がする。
さて、そうなると交通系ICカードを採用しないのは、鹿児島交通の親会社であるいわさきグループの閉鎖性の問題のような気もしてきた。
一方、鹿児島市交通局がラピカを使っているのは、コストの節約を優先したかな。
いわさきグループは、鹿児島県では絶大な権力があるんだろうね。
いわさきグループの歴史を調べてもおもしろい気がしてきた。
一つおもしろい記事を見つけたので、まずはそれを読んで概要をつかもう。
いわさきグループが行政と対立するのは、その歴史を見てもやむ得ないのかもしれない。
しかし、伊藤伸さんが書いている「これまでの固定観念を根底から覆し、あらゆる可能性を探る、まさに抜本的な改善策を考える時期」ということであれば、今までの歴史を覆して、行政と協力して社会的インパクトをよい方向へ増やしてもらいたいものだと思った。