スピノザに基いて働く幸福

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ドゥルーズスピノザ』を読了した。何度目だろう。そして、すぐにスピノザ『エティカ』を買った。Kindle版。岩波文庫版ではなく、中公文庫クラシック版。上下に分かれていないのがポイント。1,400円でも高いとは思わない。ドゥルーズを読んで、自分にスピノザが合っていることがわかったからだ。スピノザを理解できているとは思わない。しかし、美味。

『エティカ』は冒頭に訳者の解説がある。それがわかりやすい。ドゥルーズと訳者の解説を読んでいたので、より理解ができた気がする。そこで思い付いたのが、スピノザ的に仕事をする、ということ。スピノザに基いて働くとゴールや目的、目標が不要になる。仕事をするのに、そんな概念は不要なのだ。ただ自らの力能を十全に発揮することに集中すればいい。結果は結果だ。一人で仕事をするわけではないから、結果をコントロールすることはできない。だから、力能の展開に焦点を当てればそれでいいのだ。そこに、仕事をする幸福があると思う。

就職活動もスピノザ的にやればいい。スピノザは自由意志は否定しているらしい(らしい、というのは自分で理解しているのではなく、解説にそう書いてあったということ)。それなら、自分の意志で行きたい企業を選択して、そこに何とか合格するように無理な努力をしたり、落ちて落ち込んだりする意味が無くなる。就職活動においても、自分の力能を発揮することにポイントを置けばいいのだ。
わかりやすく言うと、就職活動の試験や面接において、自分の力を十分に発揮することに集中すればいい、ということ。そして、結果は後から付いてくると考えて、気にしない。私が就職活動をしたのは2000年頃の氷河期だった。とにかく落ちた。2年間に渡って就職活動を行なって、採用してもらったのが今の職場のみ。今の職場を目標としていたわけでもなく、他に行きたい企業があるわけでもなかったので満足も不満も無い。自分の力を発揮した結果、ここにいると思っているので今の職場でも自分の力を発揮するだけである。

自らの力能を発揮することに集中すれば、他の力能との比較もしないので、同期の中で誰が一番出世しているか、みたいなことも気にならなくなる。仕事において、そういった感覚は端的に邪魔だろう。出世欲のような感覚をバネにして働くという在り方は幸福には繋がらないと思う。私は、ポジションを得られないよりも自分の力能が発揮できない方が悲しい。ポジションには関係なく、その場で力能を発揮することは可能なのである。

あ、念のため自分の力能を発揮することは、自分の好きなことをやることとは一致しないと考えている。アルファブロガーの安易なアドバイスとは違う。

スピノザ―実践の哲学 (平凡社ライブラリー (440))

スピノザ―実践の哲学 (平凡社ライブラリー (440))

エティカ (中公クラシックス)

エティカ (中公クラシックス)