憂鬱を全身でかみしめる快楽

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手帳に憂鬱な仕事が三つ以上ないとかえって不安になる、と見城徹さんは言っている。憂鬱こそが黄金を生むとも。

マルクスは人間を受苦的存在と規定した。passiveはpassion=情熱に通じる。
ケルアック『路上』のサル・パラダイスを思い出します。佐藤良明さんの論だったかと思います。全身であらゆる感情を受け止める。
あるいは、フィリップ・マーロウのようなハードボイルド。ハードボイルドの探偵も実は極めて受身の存在。つまり、パッシブ。

くよくよ考える時間が何より嬉しい、嬉しいと思うしかない。不眠の時間の過ごし方。
暗闇の中でのジャンプ。結果がどうなるか不明な中でも選択して行動しないといけない。
「迷った時は、前にでろ」という信条。たとえば謝罪する時も一歩前へ出る。倒れる時は前のめりで。

  • 憂鬱でなければ、仕事じゃない

見城徹さんは仕事をするサラリーマンを勇気づける言葉を発している。

たとえば試しに一日の終わりに腹の立ったこと、自分のミス、不安をすべてノートに書き出してみた。そうすると意外と大したことないように思えた。失敗しても命まで取られるわけじゃない。そうやって憂鬱と折り合っていく。そういうコツも必要だと思う。

今日は圧倒的に不眠。深夜一時に目が覚めてから、ほとんど眠れていない。そんな日は徹底的にpassiveにやる。何でも来やがれ。そういう覚悟で今日一日だけを考えて臨む。

その日は、体調を崩して早退した。病院へ行く。副鼻腔炎の症状。帰宅してからダウンした。そこから断続的に12時間ほど眠った。本当に体調が悪いと不眠じゃいられなくなる。体調がよいからこそ不眠になる。
そして、翌日は何とか仕事をこなした。
喘息の発作を抱えながらゲリラ戦に参加していたチェ・ゲバラを思えば、大したことではない。倒れるまで仕事をすればいい。そういう覚悟で憂鬱にも対抗していくこと。
憂鬱を全身で味わえばいい。生きている証、それは実は心地よいこと。