コンフォートゾーンから飛び出せという無責任なアドバイス〜ゆっくり変える「養生ライフハック」

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最近、流行っているのが「コンフォートゾーンから飛び出せ」というアドバイスらしい。
意識高い系の人がよく主張している。その人たちはコンフォートゾーンから飛び出したことで成長したり、成功したりしているらしい。

ここのところメンタルが不安定で、そんなことで?というきっかけで涙が止まらなくなったりしている。そんな状態の時に、コンフォートゾーンから飛び出せ、みたいな脳天気な記事を読むと腹が立つ。
心の調子が良くない時は、コンフォートゾーンに留まるべきだ。

また、自ら飛び出そうと思わなくても、否応なしにコンフォートゾーンから引きずり出されることもある。職場での異動とか。そのタイミングが天の時かもしれない。そこで乗っかればいいという気もする。

普段の心掛けとしては、準備と覚悟を怠らないこと。変化を受け入れる準備と覚悟。「勝算は無いが、提案の用意はあります」、、、『進撃の巨人』のマッチョなリーダー、エルヴィン・スミスのように準備を怠らないことだ。
ローンで家を買わないのも、変化に対する準備と覚悟だ。

アニメだけじゃなく、哲学に学ぶこともできる。
千葉雅也さんのドゥルーズ論は『動きすぎてはいけない』だった。メンタルが不調の時は、動きすぎない方がいい。ドゥルーズはその思想のイメージとは異なり、動かない人だったらしい。滅多に旅行もしない。コンフォートゾーンから飛び出すような人では無かったようだ。コンフォートゾーンにとどまりつつ、強度を高めることはできる。

コンフォートゾーンから、ゆっくり出てみるのもありか。ちょっと足を踏み出してみる。そして、戻る。その繰り返し。そうすることで少しずつコンフォートゾーンを広げていく。慌てる必要は無い。
具体的には、通勤経路を変えてみる、ということをやっている。あえて遠回りしてみる。害は無い。しかし、知らなかったお店を発見するなど、効果はある。
ベイビーステップでやることだ。

そんなことを考えていたタイミングで、このfmjを主宰するくらちのりこさんがとやはりfmjメンバーの蓮花さんが出版されたKindle本を読んだ。

この本に流れている養生ライフハックという思考は、決して焦らないことがポイントだと感じた。通常ライフハックはスピードを重視する。即効性のあるコツが多い。そこに養生という概念を入れると変化がゆっくりとなる。少しずつ変えること。
コンフォートゾーンを飛び出せ、というアドバイスも一気に世界を変えることを志向しているが、そこをあえてゆっくりとした変化を選ぶ。
ゆっくり変えることがポイントになる。

蛇足で書くと、ダイエットが失敗するのは、一気に変えようとすることだ。コツとしては、ダイエットそのものを目的とせず、結果的にゆっくりとしたダイエットに繋がるような、気持ちの良い習慣を身につけるのが良いだろう。上記で紹介した「養生」はそこに繋がりそうな気がしている*1

akizukid.hatenablog.com

*1:この辺は明らかに宣伝です。