率直な物言いで信頼できる松本大さんの仕事術ということで読みました。マネックス証券を作られた方です。
本は2003年と10年前の出版です。当時、松本さんは40歳前。38歳の私が読むのによい時期かもしれません。
finalventさんや松浦弥太郎さんと自然と40歳、不惑を意識した本を選択しているようです。
精神論のようで実践的な内容でした。
以下、読みながら付箋をつけた箇所と自分の言葉を追加したレバレッジメモ。
レバレッジメモ
コミュニケーションとカンバセーションは違う。目的をもって結果を出すのがコミュニケーション。相手に理解してもらう。相手のことを理解する。
下手な英語でも、「絶対にこれは伝えるぞ」という強い目的意識を持てば、相手とコミュニケーションできる。うまく会話しようとか、発音とか気にしなくていい。
このことが念頭にあったので、先日、外国人の方とも片言の英語でコミュニケーションできました。電子レンジの使い方を教えました。あと自動販売機の場所を伝えました。
カタカナ英語でも結構通じます。
ビル・クリントン元アメリカ大統領
相手の目をみつめて「この宇宙のなかで、あなたが最も大切な人なのだ」という雰囲気で語りかけてくる。
目の前の相手に100%向き合う姿勢。
一番最初に相手に伝えたいことを話す。
自分はあくまで自分。それ以上でもなければ、それ以下でもない。誰かとコミュニケーションをはかる場合、「ありのままの自分」を伝えることが一番簡単。
人は新しい環境にあっという間に慣れる。だからこそ、常にメンテナンスを繰り返し、コミュニケーションを維持できるよう、不断の努力、工夫を積み重ね、次の手を考え続ける必要があります。
コミュニケーションに王道なし。
ネクストアクション。考える生き方。
クレディビリティを重視する。credibility.信頼。信用。
これがあれば何とかなる。
仕事では時間軸を意識する。ディスカウントレート(割引率)をイメージする。締め切り日を過ぎた仕事は日々その価値が割り引かれていく。
単式簿記と時価会計。「現在の価値はいくらなのか」という感覚。
アイデアは思いついたその瞬間に意味がある。
すぐに実践しないと価値が下がっていく。
判断のスピードをアップすることで時間を作り出す。
悩まない。見切る。
判断の回数を増やす。正解率も上がる。
たくさん判断。失敗したら、フィードバックが入って軌道修正する。
これはサッカーのゲームをしているようなイメージですね。試合中に悩んだり、失敗を引きずっても結果が悪くなるだけです。
会議は長くて30分。
決めるのは誰だ?責任が曖昧になる多数決はよくない。
会議が終わった後の意見は聞かない。
情報収集の肝は量。
とにかくたくさんの情報を自分の中に流し込む。
情報のパースペクティブを作る。perspective.遠近法。見通し。展望。
データベース構築の肝は、全ての情報を一つのツール、一つのフォーマットで保存しておき、簡単に検索がかけられるようにしておくこと。
Evernoteがその理想に近いかもしれない。
言葉だけであれば、私はテキストファイルを持ち運ぶことがベストだと考えています。スマホ内のデータベースであれば2gaibuがいいかなあ。
好奇心が重要。
これがあれば、どんな状況でも楽しみ、学ぶことができます。
忘れてしまうような情報、アイデアはたいしたことない、と割り切るようにしている。
本当に重要な情報は少ない。
メモを最近減らしています。上の話と矛盾しているようですが。
好奇心を維持するには息抜きが必要。
休息と刺激。
休息としては眠るのが一番。短時間の睡眠の活用。
刺激は、音楽とクルマの運転。
私には、この刺激の部分が足りない気がします。趣味がない。「子育てサラリーマンブロガー」としては、「ブロガー」の部分が刺激かもしれません。fmjへの参加。本の執筆。ライフハックは正直飽きてきています。刺激が薄くなっているのでしょう。
学生の頃にたくさんCDを買いあさっていたのは何だったんでしょう。今では新しい音楽がさっぱり入ってきません。1990年代の音楽を中心に聞き返しているだけ。
やっぱりクレディビリティが重要。
ビジネスは相手が必要だから。
また、一度崩れてしまうとあっという間。民主党を見よ。
相手を裏切らない、嘘をつかない、「できないことをできると言わない」←民主党政権は、仲間を裏切り、嘘をつき、「できないことをできる」と言って崩壊したわけですね。
エクスキューション。
閃いたアイデアをちゃんと実現させること。
エクイティ・バリュー。新しい価値をいかに創造するか。
野茂英雄、中田英寿のような存在。
ジョン・メリウェザー。LCTM。しかし、ソロモンなんちゃらにいた頃の話に価値はない気がします。松本さんの価値は、マネックス証券を立ち上げて以降にあるんだと思います。これは私の偏見ですが、ソロモンなんちゃらの連中に価値はありません。
自分のポジションを正確に把握する。
トレーディングにおける「ポジション」→自分が持っている資産の内容を把握する
無駄な仕事を積極的に見つける。
本当に重要な仕事というものは、意外と少なかったりする。
何かをやらない、ということが非常に重要なこと。
無駄な仕事を止めないと、新しい仕事を始められない。
プライオリティ。
優先順位ではない。本当のプライオリティとは、どれを取りどれを捨てるか。取捨選択。
バリュー・パー・タイムの意識。
マネジメントできるところを徹底的にマネジメントして、仕事の結果は運に任せる。
どのような状況でも自己肯定する。自己を否定しない。
ありのままの自分を見せる。
自己正当化とは違う。
モンテーニュ『エセー』。
しっかりとした倫理観は、不安定なビジネスの世界で心の拠り所となる。
矜持や誇り。プライド。一人称。そういうものを持つことで、ポジティブな姿勢を維持できる一種の仕掛け。
目標は、「目標地点」ではなく「目標の方向」を設定する。ベクトル。
キャタリスト。触媒。
最近の流行では、キュレーターに近い?
坂本龍馬のような存在。
キャタリストとしてのキュレーターに存在価値がある、という感じか。
あらゆる不健康の源はストレスにある。
マネックス証券は、自分がやりたくて主体的にやっている仕事だから激務でも体調は悪くならない。
考え方としては、今やっている仕事を自分が選択したものとして選び直す姿勢が大事な気がします。もし、松本さんのマネックス証券のようにやりたい仕事が見つかれば、それをやればいいだけのこと。
公私の区別もない。
ちょっと関係するツイートとやり取りを下記にまとめました。
サラリーマンは毎朝主体的に自らの仕事を選び直す - Togetterまとめ
大きな組織では、闘う相手が内部にいる。
仕事の優先順位を考える暇があったら、何でもいいからとりあえず着手してみる。やってみると勢いが出てきたり、見通しがよくなったりする。
まずアクション、そしてプランニング。
走りながら考える。必要があれば軌道修正すればいいわけですね。
主体性を持ったうえでの無理であれば、仕事を楽しめる。ここでも自ら選択ししなおす気持ちが重要。
自分の限界を見極め、そのうえで与えられたミッションをできる限りやる。
自分の行動規範には厳しいが、結果には甘い。自己否定はしない。自分に対して負荷はかけるが、結果はそういうものだということで折り合いをつけるようにしている。
自分の限界を自分でセットしない。
ジャンプの起こらない会社に成長はない。
ジャンプの起こらない大学はどうだろうか?
ビジネスにおける出力=意味のある仕事
誰も読まないようなレポートに時間をかけても、、、
いかに「誰も読まないレポート作成」を止めるかが仕事におけるポイントになってきそうです。
読了して、やはりこの松本大さんは信用できる、と感じました。
念のため書いておくと、私はマネックス証券の顧客ではありません。
- 作者: 松本大
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/05/29
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