馬場未織『週末は田舎暮らし』を読んだよ〜生活スタイルのオプションが増えた感じ

本書にはかなり触発されました。といっても馬場未織さんの二地域居住を今すぐそのまま取り入れることは無いと思います。あくまで本書で書かれているのは馬場さんの家族のスタイルであって、我が家は自分たちのスタイルを発明する必要があると思います。しかし、オプションは増えた気がします。あるいは世界が広がったというか。考え方をちょっと柔軟にすれば色んな生活スタイルが可能という気がします。読了後、これから考えていくことでしょう。

以下は、読みながらMDノートにどんどん書いていったメモを元に起こした言葉です。正確な引用ではないので、気になる人は本書をあたってください。とにかく自分は自分の思考のために書いています。

レバレッジメモ

土地探し三年
自分は今の車フリード、約300万円くらいの買い物でも3年くらいかけました。じゃあ、3000万円の住宅を買うとなると単純に30年くらいかかりそうです。ゆえに賃貸生活が続きそうです。しかし、田舎の中古住宅というオプションを考えると。

東京都南房総の二地域居住
鹿児島で言えば、鹿児島市大隅半島の二地域居住という感覚でしょうか。大隅半島であれば鹿児島市からフェリーを使って1時間も車で走ればもう田舎です。金曜日の夜に帰ることも現実的な気になります。そして日曜日の夜に鹿児島市の自宅に戻る。土地は8700坪も必要ないと自分は思いました。広すぎる土地は維持管理が大変です。それは巻末にも書かれています。

子どもと一緒の生き物探しが楽しかった(42頁)と馬場さんは書かれています。この感覚は自分にはありません。夫もアウトドア派みたいです。我が家はインドア系なので、馬場さんに比べるともっと土地は狭くて、さほど管理に手間がかからずインフラがある程度しっかりしている中古住宅が現実的な選択肢だと思います。

次のようなアドバイスが書いてあります。

  • 土地に執着するな、分かると不動産屋に足元見られて高値をふっかけられる
  • 値下げ交渉は撤退をちらつかせて強気で
  • 100万円稼ぐ苦労を考えて値切る

運命の土地(76頁)
恋からの本気モード
なるほど。ここには情報をたくさん頭に入れることで直感が働くようになる効果があると思います。だから、3年かけた時間は無駄じゃないわけです。それだけの時間をかけたからこそ、「恋」のようなものであっても選択を間違えないんだと思います。

農地は農地法第3条により、「農家」にならないと取得できない。

おおかみこどもの雨と雪」みたいな家だなあと感じました。

売主と会う
「お嬢さん=土地をください」という感覚

草取りの大変さ
自分は、今のアパートのせいぜい6平米程度の庭の草取りもしない。妻はうんざりしながら時々やっている。また、DASH村でのTOKIOを思えば、こんなに広い自然の里山は必要無いと思います。
こどもはおばけ(105頁)儚さ、淡い存在「となりのトトロ」を思い出しました。あの家と土地も手入れが必要そうでした。

ゴキブリはなぜかほとんど見かけないそれは、他の虫との競争があるからだと思います。都会でゴキブリがのさばるのは、競争が無いからでしょう。

ぽっとん便所は水洗(合併浄化槽)に変えたらしいです。最初からそれがいいですね。また、デッキを増築したとのこと。デッキ、いいですね。

集落の会
地元とどのような関係を取り結ぶのか。コミットメントの仕方。今の街の町内会でも、面倒くさいと思うのに。

草との戦い
「やるしかないことは、やるしかないのです!」という馬場さんの考え方がこの生活スタイルに向いているんだと思いました。

夜のドライブ
思索空間であり、夫がいれば大人の積もる話の時間なるほど。そういう考えもあるのか。そうであれば、自分もたとえば郊外に家があってそこから車で1時間くらい通勤時間がかかってもいいかもという考え方も出てきます。

たまたま自分がいる場所が、世界のすべてではないという解放感オプション思考。あるいは可能世界。馬場さんには、こういう感覚があるから読んでいて信用できます。自分が正しいという主張が無いんですよね。自分の二地域居住というスタイルを積極的にすすめるわけでもなく、おずおずとオプションの一つとして提示する。11万人のフォロワーをもって自分の正しさを声高に主張するよりよほど世界を変えることができると思います。

ホームを離れ、社会的立場を背負って過ごす平日
サバイバルの時間家族には言わない世界対して、平日を「調律」してくれる週末生活
なるほどなあ、今、自分が厳しさを感じるのは、週末が平日と連続的だということかもしれません。リフレッシュできない。

ストーリーのある野菜
これもまた「物語力」ではないか。物語力というのは、最近自分がよく考えている力のことです。ほぼ日手帳WEEKSの下段の言葉でも、サンデルさんが言っていました。

農家さん
何でもできる生活のプロ、カッコいい。ここでもTOKIODASH村を思い出します。

吉里裕也さん
都市にある自宅から通える距離の田舎に、都心で疲れた自分を癒やす家を持つ一番いいのは、街を歩いて「ここに住みたい!」という家にアタックすることだと思います。
車をどこに停めたらいいか?役所に行って、移住を検討しているのでちょっと街を歩いてみたいので車を停めさせてくださいと言えばいいんじゃないか。実際に歩いて感じる感覚は大事だと思います。

  1. 坪単価の安いエリア
  2. 土地が狭い
    1. 慣れない土地の管理は大変
  3. リノベーション可能な古家付き

農地法、自然保護法に注意
水道などのインフラはしっかりしているか?

選択肢の一つとして提示生活スタイルのオプション
改めて感じたのは、馬場さんは、退路を断って田舎に完全移住した人にありがちな、都会生活を完全に否定しないと今の自分を肯定できないメンタリティに陥っていないなあということです。その点がこの本がいわゆる田舎暮らし本と一線を画しているところだと思います。また、ライターとして文章もうまいと思いました。

そんな中、増田寛也氏と日本創世会議・人口問題検討分科会の提言が衝撃を与えています。この提言で消滅する可能性があると名指しされた自治体は避けた方がいいかもしれませんね。もちろん、そのような予測に抵抗して地域にコミットするという生き方はそれはそれでありですが。鹿児島県であれば、鹿屋市霧島市指宿市ぐらいがいいかもしれません。熊本県であれば、菊池市益城町西原村(これは完全なる私の主観です)。

週末は田舎暮らし---ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記

週末は田舎暮らし---ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記