はいさい。アキヅキダイスケです。係長としての基本を学ぶために読みました。「投資」としての読書です。
会社は苦しいのが当たり前〜小倉広『会社で働く苦しみをなくすシンプル思考』を読んだよ - シリアルポップな日々
↑今気づいたのですが、つい先日、同じ小倉広さんの本を読んでいたんですね。意識せずに2冊目を読了。あまりカッコつけずにまっとうなことをさらっと書かれている気がします。
相手を変えずに、自分が変わる
人を動かすには、相手を変えようとするのではなく、まず自分が変わること。これは、『7つの習慣』の「インサイド・アウト」の原則を思い出します。基本中の基本。そして、人が動くのは、命令ではなく、感情的な要素が大きい、という点も深く理解する必要があります。EQなどがそういった考え方ですね。
部下の質問が第一
部下への対応こそが、マネジャーの第一の仕事。ということで、最近はメンバーが声をかけてきたら、自分の仕事は一旦止めて体と顔をちゃんとメンバーに向けて話を聞くように心掛けています。至急の仕事なんてそうそうしているわけではありません。「今、よろしいですか?」という問いかけには、「いいよ」と即効で軽く応える必要があります。部下に向き合っていくことで部下が育っていく。結果、将来、部下が自分で動ける範囲が広くなり、係長として自分の時間が増えていくことになります。よって、部下への対応は「投資」の時間になります。
また、一旦最後までメンバーの話を聞く(1111)というのは、自分が注意する点です。つい途中で遮って結論を言いたくなります。そして、メンバーからの相談はすべてその場で解決する必要は無いので、ヒントを与えて自分で考えさせるようなことも必要でしょう。
よくあるのが、自分なりの案を持たずに最初からわからないと聞いてくるパターンです。これだと本人が伸びません。わからないなりに、Googleでキーワードを検索したり、他の人に聞いたりして自分の案を作ってからマネジャーに相談するのが理想です。自分の案があればそれが叩き台になるので話がしやすくなります。
ナンバー2が必要
まずはマネジャーを助けて、補佐してくれる「ナンバー2」を育てること(№391)。今のチームは最初からナンバー2が二人いてくれました。一人、異動して持って行かれましたが、今でも頼りになるナンバー2がいます。自分が育てる必要が無かったのはありがたい。自分としては、次のナンバー2育成を意識しています。育成?コーチングと言った方がいいかな。能力を引き出すイメージですね。
上司とのつなぎ
上の意見をどう部下に伝えるか。上司の「内在的論理」を把握して、理解して上司の代弁者として部下に伝える。得てして部下は上司に不満を持つ傾向があると思うので、そこをフォローしていく。上司と自分が違う点ははっきりさせる。私は仕事に関しては徹底的にアサーティブであるべきだと考えているので、意見が違えば違ってもいい。感情的に嫌いでもまったく構わない。最終的には上司の決定に従います。もちろん不正に関わるといった絶対に踏み越えてはいけない一線を意識する必要はあると思いますが。
背景や文脈を含めて物語で語ること。たとえば理不尽な仕事が降ってきたとして、その背景や文脈を説明すること。あるいは不明であっても勝手に想像して物語を作ること。そうすることで、自分たちの状況などがわかります。いかに物語を作るか、というのが裁判のポイントのように、仕事を前に進めるための一つの手段だと思います。説明責任というのも、いかに納得させる物語を作るか、ということでしょう。
社内のパワーゲーム対応
部門間の冷たい戦争が会社をダメにしていく(679)。ですよね。冷戦は、具体的には仕事の押し付け合い、などがあります。自分の部署、自分の係の論理を全面に押し出して相手の「内在的論理」を理解しようとしない。利害が食い違う場合に、落とし所を見つけようという気が鼻からない。よくあります。普段から他の係や部署に味方を作っておくことが重要な気がします。頼まれたことで大して負担で無いことは積極的に引き受けて貸しを作っておくなど、やり方は色々あるでしょう。
仕事を引き受けてしまうとそれが前例となり、次も降ってきます。自分がいる間はいいのですが、後任に迷惑をかけるのでやたらと引き受けるわけにもいきません。
緊急ではないが重要な仕事
「緊急ではないが重要な仕事」を優先する(1040)。これはいわゆる第二領域の仕事ですね。自分はタスク、案件、GTDで言えば複数の物理的なアクションから構成されるプロジェクトをOutlookの「タスク」で管理しています。Outlookでは「緊急ではないが重要な仕事」は管理しにくい。そこで手帳に書くようにしています。手帳に書いて、それを時々読み返す。具体的なアクションが思いついたらOutlookにプロジェクトとして落とし込んで実行する。そうやってこの半年でそれなりにチームの業務をカイゼンできたと思っています。
タスクを確実に実行するにはスケジュールに落としこむ
やることは必ず曜日と時間を決めてスケジュール化する(1088)。これは昔から私が言及する佐々木かをりさんの手帳術の原則です。
たとえば、Outlookだと30分が単位になるので、8時間で16個のタスクを入れることが可能です。
自分の場合は、実際スケジュール化されたタスクより、Outlook「タスク」に登録された40個ほどのプロジェクトを一つずつチェックしながらどんどん「次の物理的なアクション」をこなしていくことの方が多いです。
係長の教科書として
全体として、本書はどこかで読んだ内容が多くて復習的な読書になりましたが、うまくわかりやすくまとめられていると思います。部下を持ったら教科書として本書は有用ではないでしょうか。
- 作者: 小倉広
- 出版社/メーカー: すばる舎
- 発売日: 2012/09/01
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