上司から依頼された資料作成時の注意事項

上の方から資料作成依頼があった場合、ドラフトがあることはほとんどない。
口頭で簡単な指示を受けただけで依頼者のイメージ通りの資料を作るのは至難の業だ。
どうせどんな資料を作っても、そういう人は注文をつけるだろう。
だとしたら、とにかく形にしてしまって、リリースすることだ。
完成度80%のベータ版でいい。
労力をかけないこと。
でも、数字は正確であること。
しかし、速くできても、早く提示すればいいとも限らない。
なんだ、すぐできるじゃん、とどんどんスピードアップを求められるパターンがあるからだ。
速く作ってしばらく寝かせる。
頃合いを見て、提出する。
それが組織人の作法である。
これって言わば「悪の仕事術」かもしれない。
これがサイバーエージェントのような組織だったら、速く作って寝かせるなんて非合理なことしなくていいんだけどね。
古い組織で仕事を速くすると、それ以上の速さで新たな仕事が流れ込んでくるから、気をつけろ。
悪の仕事術もやむを得ない。
試しに海外の資料を見ると、文字や数字ばっかり。
日本みたいに、やたらイラストや図を入れたりしていない。
こういう資料を作らせる文化も日本のホワイトカラーの生産性を下げているんじゃないかと思った。
一方、アメリカではトランプ大統領相手にはポンチ絵の方がいいかもね。
資料読んでいないらしいし。
資料を作る時は、上司を見ながらになる。
もし自分に完全な決定権があるのであれば、作り込んでもいい。
そうでなければ、どのような資料を作っても修正が入るので、作り込むだけ無駄になる。
その場合は、ドラフトをシンプルにして上司に早めに提示した方がいいだろう。
組織の人間としては、そうやって仕事をするのである。
そして、そうした仕事のやり方は意外と誰も教えてくれないので、自分で何とかして身につけるしかない。