フェリーニ「81/2」の女性たち

Primeビデオで8/31まで無料ということで、フェリーニ「81/2」を見た。
学生時代以来かな。
もう何度も見ている。
フェリーニでは、一番好き。
なかなか作品を作れない映画監督が主人公。
愛人もいて、妻とも不仲など、プライベートの問題も多い。
すべて自分が「炊いた豆」だが、そこが面白い。
映画監督というアーティストのエゴか。
映画ではプロデューサー、カトリック教会では枢機卿と二人の権力者との関係。
幼少期の思い出、あるいはトラウマのようなもの。
今回は、サラギーナとのエピソードが印象的だった。
美しいダンスの場面。
あれを「知的障害のある女性に対する残酷なシーン」と評している人もいて、解釈は人それぞれだなあと思った。
自分は、サラギーナに知的障害があるとは思っていない。
むしろカトリック教会の「偽善」の方が鼻についた。
そして、カトリック教会とジャニー喜多川ジャニーズ事務所はそっくりだと思った。
そんなことはどうでもいい。
映画作りについての映画ということで、メタ映画になっている。
色んな人が、それぞれの考えて色んな要求を主人公にしてくるところは、我々のいつもの仕事も同じだと思った。
主人公グイドは、それらすべてをやり過ごす。
判断、決断をしない。
マストロヤンニはかっこいいし、眼鏡ルイザは美しい。
黒縁眼鏡が欲しくなった。
ハーレム志向というか、たくさんの女性に愛されたい、甘えたいという欲望がふんだんに散りばめられている。
ある種の人たちには受け入れがたい映画かもしれません。
ただ、これは映画なので。
グイド=フェリーニという解釈も単純過ぎる。

Primeでの配信は8月31日で終了っぽいので、今の内に見るのをおすすめします。