危機を未然に防ぐとヒーローになれない

All Might (10)

危機に現れて一部の人々を救ったオールマイトは英雄になるが、危機を未然に防いだヒーローはその功績が人々に発見されず本人も何も成し遂げられなかったと失意のうちに死んでいく可能性が『ブラック・スワン』に書かれていた。
同じように、日常の仕事において、問題を未然に防いでいる人は評価されにくいのだ。
何もトラブルが起こらず、淡々と仕事が済む世界では、みんな元々世界がそうだったと思ってしまう。
誰かが未然にトラブルを防いでいても気づかれない。
オールマイトだけが評価される世界では、こじらせてヴィラン側に堕ちるヒーローだって出てくるだろう。
ワクチンにも同じ問題がある。
ワクチンが評価されにくく、反ワクチン派を生み出すのも、人間の脳の構造の問題なんだろうと『ブラック・スワン』を読んでわかった。
評価されるのは、がんになってそれを治した医者やオプジーボノーベル医学生理学賞受賞者なのである。
読み始めてすぐに『ブラック・スワン』が自分にとって重要な本だとわかった。
丁寧に一気に読もう。
頭に流し込もう。
引用とか、あまり気にしなくていい。

今朝、NHK日本銀行の白川前総裁がしゃべっていたが、危機が目の前にあっても何もしなかったヒーローがぬけぬけと語っているのには腹が立った。