山崎元さんの『確定拠出年金の教科書』、Kindle版がいつの間にか出ていたので買った。読んだ。わかった。
山崎元さんの本は愛読していて、お金に関する考え方の教科書としているので、今回もすんなり頭に入ってきた。同じ著者の本を読む利点は、その言葉に慣れていることで新しい著書がスムースにインストールできる点にあると思う。
その前に、偏りを防ぐために大江英樹さんの『はじめての確定拠出年金投資』を読んでいたが、山崎さんと考え方は大きく違ってはいなかった。
正しい考え方は誰が考えても正しいのだろうと思う。
山崎さんはあとがきでライバルとして、大江さんと竹川美奈子さんを挙げていた。よって後は竹川美奈子さんの確定拠出年金本を読んでおけばパーフェクトだろう。
さて、自分の場合はNISAと確定拠出年金で考える。
確定拠出年金には先進国株式のインデックスファンドを全額充てる。そして、NISAでTOPIXのETFと先進国株式インデックスファンドと新興国株式インデックスファンド。全体で国内株式:外国株式(先進国株式+新興国株式)を4:6にしようと考えている。シンプル。全体というのは、今まで3年NISAで積み立てた分の現在価格を考慮してリバランスする感じで4:6になるように考える。
個人型確定拠出年金で、運営管理機関は今の時点ではSBI証券一択のような気がする。手数料と商品ラインナップで。
「老後不安」は大型の商材、という山崎さんの言葉をインプット。不安につけこむ金融機関などには注意する必要がある。
不安につけこまれないためには勉強をしないといけない。金融商品を自分で理解しないといけない。勉強と言っても、それほど難しくはなく。たとえば確定拠出年金に関しては、その名の通り本書『確定拠出年金の教科書』一冊読めば済む。数百円のその一冊すら読まないのが大多数の日本人で、つけこまれるはずだ。
山崎さんの思想は、不安はごまかさずに直視した方がいい、という考え方のようだ。市況(日経平均、為替レート、NYダウ、長期金利)を毎日チェックすべし、という教えもそのあたりが反映されている気がする。そして、「力一杯寝る」ということをどこかでおっしゃっていた。
運営管理機関、つまり金融機関を選ぶ前に「運用の中身」を決めておく必要がある、という教えもこれから確定拠出年金に手を出そうという人には有効なアドバイスだと思う。通常の教科書としては、1.運営管理機関を選ぶ、2.投資する商品を選ぶ、という順番になるが、それは逆であり、1.投資する商品を選ぶ、2.運営管理機関を選ぶ、という順番が正しい。
さて、自分の所属する組織がどのような投資教育を行うかも興味がある。端から期待はしていない。たぶん丸投げ。丸投げする相手がどうだろうか。
たとえば自分が講師を選ぶことができたとして、山崎元さんに講師を依頼することは可能だろうか。事務所に連絡すればいいのだろうか。
「事前に予測はできなかったのだから、後悔する必要もない。「これから、どうするか」のみに集中するべきだ。」とか、
「運用は自分で決められるだけの事を決めて、あとは運を天に任せる、というくらいの気分で行うのがいい。」とか、
ある種の人生論も読むことができる。
はっきり言って私は山崎元さんのファンなので、上記は割り引いて読んだ方がいいかもしれないが、割り引いても本書は教科書としておすすめできる。
たくさん読むなら、下記三冊でいいのではないか。
山崎元さん『確定拠出年金の教科書』あとがきに、ライバルとして大江英樹さん、竹川美奈子さんの名前が挙がっていて、大江さんの本を選んだ自分の選択が正しいと感じた。後は竹川さんの確定拠出年金本を読めばパーフェクトかな。
— アキヅキダイスケ (@akizukid) 2016年10月31日
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