『媚びない人生』を読んだよ

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韓国出身の慶応義塾大学の先生、ちょっと嫌な予感がしたが、外れた。無駄に政治的ではなく好感。
学生時代、酔っ払うと日本の戦争責任について議論をふっかけてくる韓国人留学生がいた。めんどくさいと思った。一方、まったくノンポリっぽくて女癖の悪い軽い韓国人留学生もいた。その二人がいてくれたおかげで、私は、その人の性格や歴史次第だと学んだ。そのことは本書とは関係が無い。

このジョン・キム先生のゼミの卒業生をイメージするといかにもリクルートに就職して、数年後に独立しそうな人材の姿が見える。それに対しては違和感あり。その違和感をうまく説明できない。
キムさんの主張はまっとうだ。『エッセンシャル思考』に通じる点も多い。
あるいは見城徹さんに通じる点も多い。
相手の合理性を理解しろ、というのは相手の内在的論理の把握を主張する佐藤優さんを思い出す。
インサイドアウトのような考え方は『7つの習慣』に通じる。

要するに、言っていることは本当に正しい。だけど違和感あり。
人生哲学的にはドゥルーズの「強度」を思い出した。今この瞬間に心血を注ぐこと。それは強度を高める生き方になる。
「絶対不可侵領域としての自己の確立」に違和感を感じたのかもしれない。そんな自己必要か?
しかし、リクルートの人材にはおそらく自信にあふれた自己がありそう。リクルート出身者には、その手の自信がいくらでも見受けられる。
他者の視線を意識しすぎることなく、自己に向き合え、という教えがおもしろいと思った。むしろ他者を観察することが不足していると感じるからだ。ねじれがある。うまく整理できない。うまく整理できないのは、おそらく酔っ払っているからだ。うまく整理できたら、また書こう。これはこれでいい。
進撃の巨人』で言えば、エルヴィン・スミスのような人をキムゼミは輩出しそうだと思った。「結果に対してすべての責任を負う決意に基づいた選択は常に正しい」と考えて決断するのがエルヴィン・スミスである。そして、リヴァイが言うように、結果は誰にもわからない。それでも、決断しなければいけない。

今まで読んできた各種の本のハブになるような本だった。おもしろい。慶応義塾大学に行きたいと思った。しかし、20歳前後の頃って、この種の熱さに対する拒否感もあるから、自分だったらどうだっただろうか?

媚びない人生

媚びない人生

媚びない人生

媚びない人生