財務省によるグラフのマジック(詐欺?)「ワニの口」修正版をざっと作ってみたよ

財務省や「御用学者」及び「御用マスコミ」がよく使っているいわゆる「ワニの口」ですが、それに対して三橋貴明さんが、
「なんで一般会計歳出を対応する一般会計歳入ではなく、一般会計税収と比較するのか」
という批判を展開されていて、なるほどと思いました。
(ワニの口の図は、Google検索してもらえばすぐ出てきます。)
なぜ一般会計歳出と一般会計歳入を比較しないかと言えば、それは簡単で必ずバランスが取れるからですね。
ワニの口は閉じたままで、まあ財務省にとっては意味のないグラフになります。
予算上は一般会計歳出=一般会計歳入です。
たしかに一般会計歳出の方には国債費(国債の返還に係る総コスト)を計上しているのに、なぜ一般会計歳入からは公債金(国債等による収入)を除くのか?
そこに対する財務省の説明は、ちょっと見つけられませんでした。
(見つけた人は教えてください。)
これって、フェアじゃないですよね、というか、詐欺ではないでしょうか。

たとえば、主張一辺倒の場合は、データを選択的に用い、自分の立場を固めるデータだけを提示する。p271

これはピーター・センゲ『学習する組織』での言葉ですが、まさしく財務省はそうした組織に陥っています。
そこで、自分が考えたのは、財務省が使用する「ワニの口」がいささか詐欺的なグラフだとして、かといって一般会計歳出と一般会計歳入を比較してもバランスするだけで意味がない、ということであれば、一般会計歳出からの国債費を除けばいいんじゃないかということ。

  • 国債費除く一般会計歳出
  • 公債金除く一般会計歳入(税収等)

この2者を比較すれば、少なくともフェアなグラフになるのではないか。
そう考えました。
そして、Google先生に聞いてみたのですが、三橋貴明さんをはじめ、誰も作った様子が無い。
(見つけたら教えてください。)
無いなら、自分で作るしかない。
ということで、財務省のホームページに向かい、政府予算案の概要から数字を転記した作ったグラフが下になります。
ちょっと古いデータは見つからず、平成10年(1998年)からになります。

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ワニの口修正版

これを見ると、平成11年(1999年)に「ワニの口」は開くのですが、2007年あたりで一旦閉じかけて、また開きます(リーマンショックあたりの影響でしょうか?)。
しかし、ここ数年は「ワニの口」は閉じる方向へ進んでいて、少なくとも財務省が主張する「ワニの口」が開いたとか、顎が外れたなどは主張できないグラフになっています。
いかがでしょうか?
財務省は、増税や歳出削減に使えないこのグラフを使うことは決してないと思います。
しかし、それはいささかアンフェアだと思うのです。
もちろんこの修正版のワニの口も閉じた方がいい。
税収等(公債金除く一般会計歳入)で一般会計歳出すべて(国債費含む)を賄えた方がいいのは正しいのですが、グラフや数値の見せ方はフェアにやってもらいたいところです。
一般国民は、そんなに勉強しないので。