尿管結石の激痛を初体験して、死について考えた

死にたい、と思った。ここがアメリカだったら、枕元の銃で自分の頭を撃ち抜いていたかもしれん。それぐらいの激しい腹痛に、日曜日の夕方突然襲われた。トイレに座っても、下痢など出ない。嘔吐も無し。ノロウイルスでは無さそうだ。痛みはまったくおさまらない。
我慢できずに、妻に夜間急病センターに電話してもらった。そこに紹介してもらった救急外来へ。近所で助かった。車内で腹痛と尿意に苦しんだ。病院ではまずトイレに駆け込んだが、尿は出ない。残尿感あり。
受付するも、痛くてじっとしていられない。待合室をぐるぐる歩き回る。気を紛らす必要がある。
呼ばれてベッドに横になったが、そこでさらに小一時間ほど待たされる。その間何度もトイレに行くが、尿は出ない。ベッドに横になっているのもつらい。腰も痛くなってきた。妻にお腹や腰をさすってもらう。これが一番効いた。愛を感じた。感謝。妻の出産を思い出した。この辺りで、素人診断で、尿管結石*1ではないかと考え始めた。
長い長い時間が過ぎた。マンデラとか、フランクルとか、の人生を考えた。彼らより自分は不幸ではない。これは拷問ではない。でも、何度も死にたいと思った。冒頭で書いたように、楽になる手段があったら、自殺したかった。この痛みがいったいどれほど続くのか、と考えると無間地獄にいるようだった。睡眠薬でもよかった。この痛みで気絶できないのかと絶望した。

ようやく、点滴をしてくれた。遅いよ。2種類。片方はアセトアミノフェン、痛み止めのようだ。それでしばらくして、痛みが落ち着いてきた。その後、車椅子で CT室へ。シーメンス製。「これ何列ですか?」と技師さんに聞く余裕が出てきた。64列とのことだった。先日の副鼻腔の CT は16列だった。1週間に2回も CT を経験した。CT は本当に楽だ。
それから、医者さんの診察までさらに時間がかかった。妻は一旦、子どもたちを寝かしつけに帰った。よりによって日曜日の夜に。自分の体に対する激しい怒りを覚えた。
診断の結果、尿管結石だった。数ミリとのことですでに下りてきているので、点滴をしながら様子を見ましょうと。CT で数ミリの結石がわかるってすごいな。
やがて、時間が経過して痛みがぶり返してきた。今度は、座薬を入れてもらった。痛いので恥ずかしい感覚も無し。それで、再度、痛みが落ち着いた。そして、痛み止めを処方してもらって帰宅。またしても1万円を超える医療費。やむなし。
帰宅したらもう深夜。寝ようとしたら、ふと尿道に熱い感覚が走った。痛みほどではない。トイレに駆け込む。おしっこしたら、黒い小さな石が出てきた。よっしゃラッキー!とキュウレンジャー。測ってみたらわずか 3mm ほどだった。これで、あれほどの激痛とは。とりあえず、インスタ映えするように、定規をあてて撮影した。もちろん、石はちゃんと洗った。
こうやって自らの痛みも病も SNS やブログのネタにするのは、思い通りにならない人生に対する「甘い復讐」なのである。
石が出たら、痛みはまったく無くなった。まだ下腹部に違和感を感じるのは炎症などが残っているからだろうか。
症状が出た日曜日、そういえば朝からコーヒー以外の水分をとっていなかった。コーヒーやお茶は水分にはカウントされないらしい。1日食事以外で2リットル、もしくは1時間にコップ1杯の水分をとるべきらしい。尿管結石は繰り返すらしいが、二度と経験したくないので水分は習慣にしたい。とこれを書きながら、白湯を飲んだら、刺激になったらしく咳き込んだ。喘息もあるのだった。去年より、今年の方が、厄年っぽくなってきた。

ストレスもよくないらしい。ストレスをためないようにするには、ストレスをストレスとして否定的に考えないことだ。ストレッサーをそのままフラットに非人情に受けいれること。そして、自動機械としてできる対応をすること。それだけ、結果については思い悩まない。後悔もしない。失敗は次への材料のみにする。そういうクールな姿勢で仕事にも家庭にも臨もう。マインドセットを変えることで、尿管結石や喘息に対応していく。もちろん、水をこまめにとるなどの現実的な対応も。

痛みが酷かった時、わめき散らすより、呼吸に集中してうまくいくと痛みにもうまく対応できる感覚はあった。なかなかうまくいかなかったが、そこは繰り返し練習すればいい。密やかな呼吸は、痛みや喘息にとってプラスとなる気がする。そして、昨日読み始めた『ウォークス』という本の主題、歩くこと。水、呼吸、歩くこと。その三つを意識して、まずはこの一週間を過ごしてみよう。呼吸が荒い人は仕事ができない。痛みが無いと、ATM で前の人がごちゃごちゃ操作していて、なかなか終わらずに待ち時間が長くなっても、なんて素晴らしい世界なんだ!と思える。今だから、よい経験をしたと言える。痛みの最中は地獄だった。

点滴などの影響か、左手に若干力が入らない感じがある。また、胃もおかしい。石は排出されても色々残ってはいるだろう。
麦茶を改めて見直した。夏が終わって止めていたが、職場でもまた麦茶を作って飲もうと思う。

*1:尿路結石は広い概念っぽい