財務省資料「財政健全化計画等に関する建議」を読んだよ

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平成27年6月1日財政制度等審議会の資料「財政健全化計画等に関する建議」を読みました。www.mof.go.jp

私が注目するのは、国立大学関係です。

大学全入時代と言われ、高等教育の水準低下に懸念が示されている中、国立大学の研究力、教育水準の維持・向上を図っていくためには、大学間・大学内における大胆な再編・統合、重点化による入学定員の見直し、教員規模の適正化、大学教育内容の質的転換等の取組を行うとともに、学内資源の再配分、収入源の多様化による一層の効率的・効果的な大学運営が求められる。

これって、要するに国立大学にリストラを求めているんだろうね。でも、今の国立大学法人の仕組みでそういう改革は難しい。財務省は予算で誘導するつもりでしょう。しかし、みんなで貧乏になって沈没する選択になる気がします。

国立大学全体の収入構成を見ると、運営費交付金補助金等収入による国費負担が総収入の半分程度を占めている。研究収入、寄附金について、法人化以降一定の増収は見られるものの、世界トップレベルの大学
において研究受託収入、資産運用益、学納金収入などにより収入源の多様化を図っていることと比較すれば、我が国の国立大学は大学として成し得る財務基盤強化を十分に進めているとは言い難い66。学生への支援を含め、今後、更に教育研究環境の改善を進めるためには、国費に依存しない財務基盤の強化が必要である。

ファンドレイジングってことかな?
しかし、資金を集めるだけではなく、運用についての規制緩和に触れられていないのが残念。国立大学法人法で基本的に運用が国債等の比較的安全な対象に限られているため、ハーバードのような基金運用はできない。会長の吉川洋教授は東京大学でその点は知っていると思うのだけれど。せめて自分たちで獲得した寄附金くらいは、インデックスファンドなどでの運用を認めてもらいたい。そうしないと年率5%とかは無理。
ピケティの講義では、ハーバードで年率10.2%、1億ドル未満の小規模大学でも年率6.2%で運用していた。

今回のポイント