水野和夫さんの『資本主義の終焉と歴史の危機』を読みました。
あえてクルーグマンたちとは違う立場と思われる水野和夫さんの本を読んでみる。素人の私には幅が必要。
ざっくり言えば、資本主義は限界を迎えている、ということかな。
処方箋は?
アベノミクス批判で、提示されるのは脱成長モデル。
民主党辺りが参考にしている経済学なのかな。
しかし、読んでいると納得させられます。何が正しいのか、よくわからなくなります。
とはいえ、本書の記述は予想なんですよね。当たるかどうか不明。
読了。批判するだけの武器が自分の中にはありません。
水野さんは、処方箋がわかりません、とのこと。ソフトランディングしかないということでしたが、具体的にどうするかは明示されていませんでした。
ふと思い付いて「水野和夫 民主党」で検索すると2009年に民主党主催の研修会で講演されていました。やはり民主党の経済政策のブレーン的な存在のようですね。
2010年には、民主党政権で内閣府審議官に就任されています。仙谷由人さんのブレーンとのこと。
広井良典さんの「定常型社会」と繋がる思想のような気がします。
ちょうど小室淑恵さんの記事を読みました↓
小室淑恵「人口構造から見るゲームチェンジの必要性」―人口ボーナス期から人口オーナス期へ | 日刊読むラジオ
ここでのリアルな議論を読むと、広井良典=水野和夫ラインの「定常型社会」の議論が観念的=民主党的に見えてきました。偏見もあると思います。水野さんが本書で提示していない方法を小室さんは提示しています。
これくらい具体案を出してくれないとなあと思いました。それは学者と企業家の差だろうかと考えました。
しかし、まだまだ勉強不足です。水野さんを読めばそれに納得し、小室さんを読めばなるほどと思います。その程度です。自分の知識になっていないので判断ができません。
私の感覚は、次の佐藤優さんに近いようです。
資本主義システムが癌のような死に至る病だとしても、根本的な治療法がないのだから、それと付き合うしかないと諦めています。(佐藤優『国家と神とマルクス』)(2598)
小室淑恵さんや佐藤優さんを読むことでリバランスできたようです。
基本的に、こういう「読者を脅す言葉を使う人」には警戒します。
水野和夫さんの資本主義批判は正しい。けれども、畢竟それだけという気がします。
可能性は鈴木健さんみたいなベクトルにある気がする。
鈴木健『なめらかな社会とその敵』を読んだよ〜同世代への嫉妬やNAMの失敗の先へ - シリアルポップな日々:serialpop days
労働のゲーム化を考える〜なめらかな社会2 - シリアルポップな日々:serialpop days
資本主義を超えるためには「発明」が必要。
「ゼロ・トゥ・ワン」の発明。
評論家ではなく、発明家や起業家が必要なのではないか。
『ゼロ・トゥ・ワン』の教え、自分で考えて動かないといけん。
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