木谷哲夫『独裁力』を読んだよ〜権力ライフハック本

木谷哲夫『独裁力』を読みました。「悪の仕事術」に活きる本。
自分も必要だと思います、「独裁力」。「独裁」という言葉に過剰に反応する人はいるかと思いますが、書いてあることはまっとうなことです。本書は、権力を道具として扱う「権力ライフハック本」だと思いました。リーダーでなくても組織で生きる人は読んでおいて損はないでしょう。いわゆるウィンプではなく、マッチョのための本。
日本では、戦後、権力は危険だから国民には近づけさせない教育をしてきましたが、そのことがかえって権力に対する免疫力が低下させてしまい危険な状況にさせているんじゃないか、という気がします。著者が言う「価値観フリーの乾いた視点」で、日本の太平洋戦争へ向かった政治的プロセスやメカニズム、ナチスドイツやスターリン毛沢東の政治学などを教えてもいい気がします。今のところ、誰も教えてくれないので自分で本書などを読んで学ぶ必要があります。

以下、レバレッジメモ。

レバレッジメモ

SONYソニー平井一夫さんとPanasonicパナソニックの津賀一宏さんの違い
本書では後者を評価

サイバーエージェントも評価
藤田晋さんは、確かに乾いた「独裁力」の持ち主だと思います
取締役が8人と少ない+交代制
コア支持層を常に不安定にすることで社長の権力基盤を強化する

ユニクロ柳井正さん批判者は「ブラック企業」と言う(ネット、ブログ)
しかし、社内には心酔し、支持する集団がいるのだろう

  • コア支持層→コア予備軍→一般メンバー

その層は無口で、ブログを書いたりしない
ゆえに批判が目立つだけ

銀河英雄伝説』のラインハルトの権力強化のためには、キルヒアイスの排除は必要だった?

著者は、京都大学の教員だが、国立大学法人についてはどう考えているのだろう?
国立大学法人は民主主義の組織
「独裁力」を発揮できる組織になれるか?
そんな必要はない、という教員の反対が強そうなのは容易に想像できる
法律改正して学長のリーダーシップを強化しても難しい
結局、財政的にコントロールするしかない?(財務省主計局辺りが考えそうな)

補足

木谷さんは、マッキンゼー出身のためか「マッキンゼーがマイナーな日本は駄目だ」というニュアンスで書いていますが、最近、下記を読んだばかりに私は「コンサルタントなんて不要です」と思いました。
カレン・フェラン『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。』を読んだよ〜コンサルに頼らずに自分の頭で考えるしかない - シリアルポップな日々:serialpop days