インプットから30年後のアウトカム〜田中泰延さんと起業家たちの違い

田中泰延さんは若い時に、のちに上場企業を作り出す起業家のたまごたちと働いている。
名前を見ると、きら星のような面々だ。
田中泰延さんと他の起業家たちを分けたものは何か?
ということを考えた時に、インプットとアウトプットの間の時間の距離の違いではないかと思いついた。
起業家は、インプットからアウトプットのサイクルが速い。
資本主義とはそういうものだ。
次から次へとインプットし、アウトプットしていく。
安倍政権の生産性革命とか、そういうことだろう。
一方、田中泰延さんで印象的だったのは、「仕入れ」が何年後か何十年後かに他人と響き合う「出会い」への感覚だ。
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上記エア対談で田中さんはある写真家との出会いについて語る。
最初、心を開いてくれなかった写真家が、田中さんがふともらした「デッカード」という言葉に強く反応して、以後、一緒に仕事をすることになる。
そのデッカードというのは映画『ブレードランナー』のデッカードであり、その「仕入れ」=インプットは30年も前のものである。
そのインプットが、30年後に田中さんと写真家を接続した(アウトプット)。
それを田中さんは「奇跡」と言っているが、起業家たち、もちろん資本主義社会も、財務省も、30年待ってはくれない。
財務省は、予算を使ったらすぐにアウトプットを「見える化」しろとうるさい。
うるさい、黙れバカ。
たとえば大学教育のインプットも、すぐにアウトプットとして成果が出るものではない。
嗚呼、財務省はアウトプットではなく、アウトカムと言うな。
どうでもいい、バカたちだ。
しかし、その言葉を使えば、田中泰延さんとある写真家の出会いはアウトカム=成果だな。
財務省は、30年待てないのである。
それが資本主義というものだ。
田中さんは、その資本主義の最先端企業である電通でサラリーマン生活を24年されていた。
まさしくインプットからのアウトカムをすぐに求められる仕事を際限なく繰り返していたのだろう。
そして、そのサラリーマン生活から、ある日、ドロップアウトした。
逃走線。
そこがおもしろい。
このインプットからアウトカムまでの時間の感覚の違い、というのは今後も注目したい。

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