エプスタイン事件に関連してMITメディアラボ所長伊藤穣一の辞任までの経緯を英語記事で直接当たってみた(大学センター試験並みレベル)

タイトルの通り、日本語の記事ではなく、英語の記事などにできる限り直接当たってみた。
ちなみに自分の英語レベルは大学センター試験並みである。

自分がざっと集めた限り、次の5点で色々と見えてくる。
それを時系列に並べる。

まずは、伊藤穣一さん Joi Ito 本人の謝罪文8/15付、これが Ito の今の時点での最近発言かな?
www.media.mit.edu
My apology なので、謝罪だね。
Joi が Epstein に会ったのは、2013年とのこと。
Epstein の horrific acts については知らなかったと主張。
自らの判断ミスを謝罪している。
あまり詳しいことは書いていない。

次に9/6付けthe New Yorker 記事 by Ronan Farrow
www.newyorker.com
これが大きかった、この反響で Ito はMITメディアラボ所長辞任に追い込まれたようだ。
Epstein からの寄付を匿名 anonymous にして隠そうとしたと告発。
しかし、この匿名処理については、後から Lessig や MIT letter が、The New Yorker の解釈とは違うと釈明されている。
とはいえ、この「隠蔽」という記事がMITメディアラボ内部、構成員にも大きなショックを与えたようだ。
Ito が匿名での処理を指示したメール画像もある。
ヴォルデモート(ハリー・ポッターのラスボス)と呼んでいたことなども、注目されている(これはやはり笑えない冗談だ)。
長い記事なので、正直、消化できていない。
文章が読みにくい。
後から出てくる Lessig の文章の方が読みやすいと感じた。

下記は9/7付けMIT President L. Rafael Reif (L.ラファエル・レイフ)の letter、New Yorker の記事を受けた対応について。
president.mit.edu
Ito が辞任したと報告。
ここでも、Epstein からの寄付を受け入れたのは、判断ミスだったとのこと。

それに対して、Ito の友人である ローレンス・レッシグ Rawrence Lessig による9/9付の文章。
medium.com
これについては、Twitterで連投したので、そっちも見てね。
Lessig は明らかに Ito を擁護している。
Lessig は友人として Ito を止められなかったことを後悔しているようだ。
Lessig は Joi と話した時に感情によって話すことができなかった。
友人として感情で話せば良かった。
友人になれなかった。
また、Lessig は Type 3 、Epstein のような犯罪者、前科のある寄付者から寄付を受ける場合は、透明性 transparency よりも、むしろ匿名 anonymously であるべきだと主張している。
寄付によって、犯罪者の名誉回復に大学が手を貸すべきではない、ということのようだ。
今回のMIT及び Joi の匿名での処理指示も同じ考えに基づいているらしい。
しかし、これは一般的には理解できない考えかもしれない。
オープンにできない相手からの寄付を受け入れるだって?
だから、Joiも内部から批判を受けている。
補足として、Lessig は偉大な大学なら Type 3 、犯罪者からの寄付は受けないと主張すべきだと考えている。
もし、Type 3 からの寄付を受けると決めたのであれば、anonymous 匿名にすべきだと限定的に言っているようだ。
つまり、Epsteinからの寄付を受けるItoとMITの判断は、偉大な大学としては誤りだとなる。
まとめると、間違いは3つと Lessigは言う。

  1. Lessig は Joi へのアドバイスを間違えた
  2. Joi が Type 3 寄付を受けた判断は間違いだった
  3. MIT が Type 3 を許可した判断も間違いだった

そして、この記事での Lessig の批判は、これらの間違いが引き起こした事態がバランスを欠いている(Joi のみに厳しい?)と言う点にある。
そして、New Yorker以降の世間の批判がバランスを欠いていると主張。
MIT にも大きな責任があると。

そして、9/12付け MIT による公式 letter
news.mit.edu
ここでは、Epstein からの寄付について、anonymous 匿名での処理を、MIT執行部、要するに L.Rafael Reif(L.ラファエル・レイフ)が、伊藤穣一に指示したことが書かれている。
だとすれば、Reif にも責任がある。
Lessig は、先の文章で Ito is scapegoated と痛烈にMITを批判している。

つたない英語力でも、Google翻訳で補いながら、何とか読んでも、色々と見えてきた。
それに対して、日本語の記事しか読まないTwitterタイムラインが、ちょっとずれている感じがある。
みんな英語を読めよ、ってことだ。
誤訳、解釈の誤りもありそうなので、気づいた方はコメントでも指摘して欲しいところだが、最近ブログにはさっぱりコメントがつかないし、ツイートにも反応が薄いので期待はできないな。

さて、日本の大学でも、最近はファンドレイジングが流行っているようだ。
財務省も、私立大学に対して「ダイナミックな資産運用を」と煽る始末。
その勇み足っぷりを危惧している自分としては、伊藤穣一の失敗から学ぶことは多いと感じている。
実際、大学に対する寄附者の身分調査なんて能力が、各大学に備わっているとは思えない。
エプスタインのような事例が発生した時に、どのように対処するのか、危機管理能力が問われてくる未来が見えるよね。