老後2000万円年金問題ニュースを見るぐらいなら、田村正之さんの本を読んだ方が100倍マシ

ニュースやTwitterや政治家の言葉を読んでも、まったく役に立たない。
金融庁震源とする今回の年金2,000万円不足問題については、田村正之さんの『人生100年時代の年金戦略』を一冊読めば、それで収まる。
もちろん制度を維持する努力は必要だ。
しかし、それは国民全体の仕事だ。
なんでこう国にすべて面倒見てもらおうとする人が多いのか。
日本人はいつまでも子どもっぽい。
それは平和だからかもしれない。
香港とは違うのだよ。
以下、田村正之さんの本を読みながらメモしたことをそのままさらしながら、自分なりの理解やコメントを入れていく。

年金の本質は「保険」 p28
→なので、自動車保険が返ってこない、なんて文句を言わないように、年金が支払った分が返ってくるか来ないかをぐちゃぐちゃ議論するのがそもそもズレている。

長生きという事故 p29
→リスクと言ってもいいかも
その事故に備えるのが年金という保険
→その理解が広まれば、今回みたいな集団ヒステリーは発生しなくなるだろうし、厚生労働省麻生太郎財務大臣も冷静に情報を受け取れるようになるんじゃないか。

積み立て方式より賦課方式の方がインフレに対応できる p31

「ねんきんネット」を使って、年金額の見込みを把握する p38
ねんきん定期便のアクセスキーと基礎年金番号が必要

極端に悪い経済前提でも年金は破綻しない p75
→年金破綻とすぐに言いたがる。Twitterでは、そういう人は速攻ミュートするようにしている。年金破綻はデマと言っていい。

「メディアも政治家も、運用環境が悪いときだけ、GPIFの成績をやり玉に挙げて非難することが多いからです。」p82
蓮舫議員がその代表。褒めることがない。こういうタイプの上司は部下のモチベーションを下げるだけで上げない。トップやリーダーの器ではない。

「大事なのは名目の利回りではなく、年金の支給額を左右する賃金上昇率と実際の利回りとの差(スプレッド)です。」p85

「しかし、世の中全体に長期運用の理解がないなかでは、巨額の評価損が出れば大きな混乱も予想されます。」p86

「積立金の比率は、全期間でみて財源の1割程度にすぎません。」p87

未納率が高いのは、あくまで第1号のみ p90
会社員などの第2号は給与から天引されるので未納になりようがない
また、免除者と未納は別。
未納者は157万人なので、全体6731万人からみると2%強程度
「未納の人は将来年金をもらえないので、長期でみる場合、年金財政への影響は大きくありません。」p91
→未納者は、将来、自分が困るだけ。まあ、社会にとっても生活保護受給者が増えたり、社会不安が増大すると困るので、未納者が増えないような広報や対策は必要。

「なによりも困るのは未納者自身です。消費税や所得税など様々な税金は支払ってそれが年金保険料の一部に充当されているのに、高齢になったら税金分の年金すらもらえず、一方的に損してしまうという事態を再認識すべきです。」p92

「背景には年金の大切さ、有利さに関する知識不足もあるのではないでしょうか。」p93
→義務教育での年金教育が必要なのでは?何してんの、文部科学省。まあ、厚生労働省と管轄が違うから、コミュニケーションがとれていないんだろうな。今回の金融庁厚生労働省も。いや、審議会のオブザーバーに厚生労働省財務省は入っていた。それで、受け取らないとか麻生太郎財務大臣が言うのは意味不明。オブザーバーはただのお客さんだったんだろうね。

「「人生100年時代」のおすすめは繰り下げです。」p98
年金の繰り下げ、繰り上げ受給はあくまで希望者の選択

「夫婦一緒に繰り下げる余裕がなければ、長寿になりやすい妻だけでも繰り下げることを考えてはいかがでしょうか。」p101

「長生きリスクに備えるというコンセプトは正しいのですが、大手保険会社が割高な手数料を取る仕組みになったせいか、トンチン年金は商品としてはそれほど有利ではありません。」p103

「このように、様々な民間金融商品を選ぶ場合、それに似た仕組みの公的制度ーー例えば公的年金や公的医療保険雇用保険などの内容をまず知り、どうしても不足だと思ったときだけ民間の商品(通常は公的な仕組みよりも割高で不利です)を使うという発想はとても大事です。」p104
医療保険も同様。民間は、当然、公的年金の不安を煽ることで、自分たちの商品を売りつけようとしてくる。

「それにしても年金はいろいろややこしいですね。」p112
→2019年の今であれば、本書が教科書、辞書的にいいだろうが、自分が60歳になるのは、2035年なので、その辺りで本書のような良書を探す必要がある。

繰り下げで厳密に損得を計算しようと思えば、様々なことを考慮することが必要になる p120
「「もうかんがえるだけで嫌だ」と思うなら、遺族年金の状況に注意しながら妻だけ繰り下げるのも手です。」
→本当に、本書はわかりやすい方だと思うが、それにしても読んでいるだけでうんざりしてくる。

「繰り上げはよほど資金に困っている場合を除いて避けたほうがいいと思います。」p123

「物事の判断の際、大きな方向性に逆らって目先有利そうなテクニックに走ると、結果的に失敗になることは、様々な場面で起こりがちです。」p126

人生100年時代→なるべく長く働く p127
60歳以降も、厚生年金に入ることが大事

年金は保険料を払うという負担面だけではなく、反対に将来の給付も存在する p141

遺族年金 p162
遺族基礎年金
遺族厚生年金

公的年金が様々なリスクに備えるフルパッケージであるという理由のひとつが障害年金です。」p170

障害年金は、疾病にかかわらず生活や仕事が制限される状態になれば請求できる p172

「重要なのは、初診日を証明することです。」p173

「初診日に厚生年金に加入していれば障害厚生年金、そうでなければ障害基礎年金を受給します。」p173
初診日が厚生年金加入期間になるように退社前に診察を受けておくべき
うつ病で仕事を辞めるときは、退社前に診察をうけることだな。

社会保険労務士にサポートを頼むことも検討

学生納付特例は、自分の子どもたちについて頭に入れておかないといけない。

確定拠出年金(DC) p201
個人型iDeCo
企業型

「特に若い資産形成層の場合、タイミングを当てるのがよほどうまいという自覚がないのであれば、DCを使った積立をお勧めします。」p207
山崎元さんは、もっと端的にプロでも投資のタイミングはかることはできないと言っていた気がする。

「急伸する時期を事前に当てることは不可能なので、市場に居続けることが大切です。」p209

堅実な資産形成のための重要なルール「低コスト」 p210
→確実な負のリターンをいかに抑えるか。

アセット・ロケーション(資産の置き場)p215
DC口座のように、運用時非課税口座では長期の値上がり期待が大きい株式投資信託中心で運用
預貯金は課税口座

iDeCoは、主婦など所得がないと税金を納めていないので、掛け金拠出による節税効果はない p224
一方、口座管理費用はかかる
ただし、運用時非課税という効果はあるので、投資信託で長期運用して資産を大きく増やすことを狙うなら意味はある

iDeCoは、老後のための制度として「安易に引き出せないことがむしろプラス」p227

途中で亡くなれば資産は遺族へ p228
死亡から3年以内に受け取る「みなし相続財産」
法定相続人一人500万円まで控除
iDeCoをしていることを家族にきちんと伝えておきましょう
→妻へ伝えることが大事。
→遺言ノートにも記載しておこうと思う。

受け取りは工夫が必要
公的年金「空白時代」の活用 p238
60歳から64歳まで、公的年金等控除、年70万円までの額で年金形式で合計350万円受け取る案
そこから発展して、公的年金を70歳まで繰り下げて、60歳台前半で公的年金等控除70万円×5年+後半120万円×5年=計950万円まで、年金方式で非課税で受け取ることができる

多くの関係者は、2016年半ばまで、日本も欧米諸国のように2018年5月施行の制度改正で、DCのデフォルトを投資信託にすると思われていた p248
ところが、厚生労働省の専門委員会2016年6月報告書で覆った
労使の反対
金融庁ではなく、厚生労働省が管轄しているからだと思う。

「NISAは儲かったときだけメリットのある仕組み」p257

相場の下落局面はむしろ安く買える絶好の機会 p259
2008年のリーマン・ショックで負けたのは「バスから降りた人=投資をやめた人」
一時的な評価損が出ても耐えられる資産配分を作って、下落局面でも淡々と投資を続けることが大切→アセットアロケーション

59歳まで

60歳以降

  • できれば厚生年金加入で仕事継続
  • 65歳以降の公的年金をできるだけ繰り下げ
  • NISAなどで投資継続

ちなみにiDeCoやNISAでの投資については、水瀬ケンイチさんや山崎元さん、竹川美奈子さん辺りをフォローしたり、本を読んだりすればいいと思う。
私のブログをとりあえずこれらの方々の名前で検索していみるとか。
情報はちゃんとあるので、あとは自分でどの情報を選択するか、という問題になる。
年金においても、Only the paranoid survive.は真理だと思う。
パラノイアだけが生き残るのである。
文句ばかり言っている人は、野垂れ死ぬのである。

人生100年時代の年金戦略

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お金は寝かせて増やしなさい

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全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書)

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