ニーチェはコカインやっていないよね?〜『この人を見よ』

ニーチェ『この人を見よ』光文社古典新訳文庫Kindle版が日替わりセールで299円だったので、ちょっと迷って買った。
迷ったのは、最近、コカインで逮捕されたピエール瀧さんの影響で、電気グルーヴのダウンロード音源が聴けなくなった、という無数のツイートを見ていたからだ。
ダウンロードした音楽は、いわゆるCDやレコードのような所有ではない。
音楽を聴く権利を買っている、あるいは使用料を払ったようなもので、こうした不祥事があると配信元がストップさせることで買ったはずの音楽が聴けなくなる、という事態が発生する。
元々、そういう契約になっているのだろう。
確かめるのもめんどくさいが、そうであれば、文句を言うのも、まあ購入時の判断が甘かった、ということになる。
同じリスクは、Kindleのような電子書籍でも起こり得る。
ただ、自分は、そのリスクを認識したうえで、あえて所有ではないKindle版を購入書籍全体の8割くらい利用している。
それは、電子書籍が圧倒的に軽いからだ。
本は重たい。
さて、今回買った『この人を見よ』は、ニーチェの圧倒的な軽さが爆発的に発揮されたすばらしい書物である。
ならば、Kindle版でいいのではないか。
自分は、新潮文庫版を持っているが、今回の光文社古典新訳文庫版は翻訳が丘沢静也さんということもあって、買った。
丘沢さんは、昔『マンネリズムのすすめ』を読んで、感動した。
あれ?絶版になっているのかな?
Amazonでやたら高い。
ところで『この人を見よ』については、もちろん、ニーチェがコカインで逮捕されたら配信停止になるリスクも織り込み済みである。

この人を見よ (光文社古典新訳文庫)

この人を見よ (光文社古典新訳文庫)