不機嫌は怠惰の現れ

不きげんは怠惰と同じです。つまり怠惰の一種なのです。わたしたちは生まれつき怠惰に傾きやすい。けれどいったん奮発すれば、仕事はすらすらはかどりますし、活動にほんとうの喜びを見いだすことができましょう。 (『 若いウェルテルの悩み』)
手塚富雄. いきいきと生きよ ゲーテに学ぶ (講談社現代新書) (Kindle の位置No.210-213). . Kindle 版.

手塚さんが引用したこの箇所を読んで、ハッとした。
自分はすぐ沸騰してしまうからだ。
そして、不機嫌になることも多い。
その時、周囲にどう見えているか、考慮する余裕が無くなっている。
不機嫌を現すのは「かまって光線」を出しているのだ。
「俺、今、不機嫌だから、誰か俺を構って構って」と言っているようなものだ。
恥ずかしい所作である。
ゲーテに言わせると、それは怠惰なのである。
自らの意思で不機嫌を振り払って奮発しなければならない。
だから、自分も沸騰した場合には、低きに流れ不機嫌になるのを自覚して押し留め、奮発しなければならないと思った。

不機嫌さを戦略的に利用するということはあると思う。
しかし、よく見かけるような、いつも不機嫌な偉い人というのは、そういうことは考えていなさそうなのである。
偉くなったのに、人間的には成長できていないのである。
かわいそうに。

自分の場合、仕事中は割とご機嫌にやれる。
でも、家庭が厳しい。
特に中2長男には不機嫌に接してしまうことが多い。
長男に対しても、ご機嫌にやりたい。
何かしら注意することも多いが、そういう時もご機嫌にフラットにやる。

最近読み始めた『ティール組織』で分類するところの「多元型組織」においては、サーバント・リーダーシップが重要となる。
そのリーダーは不機嫌であっては駄目だろう。
ご機嫌でいる必要がある。
不機嫌で他人を動かそうとするのは、もはや原始人なのだろう。

今年2019年は、ご機嫌でいることをテーマにしたい。

いきいきと生きよ ゲーテに学ぶ (講談社現代新書)

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