ゲーテ入門に最適な50年前の本

手塚富雄さん『いきいきと生きよ ゲーテに学ぶ』がゲーテ入門に最適だと思った。
本書は50年前の本である。
本物は時代を超える。
Kindleセールで安くなっていたところ、レビューの評価も高かったので買って読んでみた。
素晴らしい。

こころが開いているときだけ
この世は美しい

こういったゲーテの言葉のセレクションがあって、そこに手塚さんの解説文が添えられている。
手塚さんの文章もまた素晴らしい。
オープンマインドが無いと世界は美しく感じられない。
仕事や子育てが忙しいと心が閉じてしまう。
そこは自分の意思で気合を入れて心を開く必要がある。
読み始めて早々にゲーテにガツンとやられた感じだ。
かように、ゲーテは「健康人」(手塚64)なのである。

阿呆、燃えているなら消せ、
燃えてしまったのなら、また建てろ。

こういう言葉がたとえば月曜日の朝の自分に力を与える。
正月休み明けも乗り越えられる。

思い出したのは、茨木のり子さんの言葉だ。

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

自分に気合いを入れてくれる。
気合いさえあれば、大抵のことはなんとかなる。
あとはいきいきと生きること。
それだけでいい、というシンプルなメッセージがあった。
正月休みに読んで新しい年をいきいきと始めるのにふさわしい本だと思う。