チャールズ・ウィーラン『MONEY』はお金の教科書だった

チャールズ・ウィーラン『MONEY』はKindle版で読んだ。
本書は、お金の教科書だった。
今回、ブログを書くためにハイライトした箇所を中心に再読することで、知識を使えるものとしてインストールしようと思った。
翻訳に山形浩生さんが入っている。
ここに信用がある。
本書を読む時も、まず最初に訳者解説から読んだ。
立ち読みでも山形浩生さんの解説を読んでから本を買うと間違いない。
そう、お金の世界でも大事なのは信用だ。
英語でcredit、つまりクレジットカードのクレジットだ。
時間的なズレ、そこに発生する利息が経済全体を大きくしていくエンジンとなっている。
そして、中央銀行、本書ではアメリカのFRBの機能が最重要ということだ。
ある意味、大統領よりFRBの政策の方が大事かもしれない。
日本は、独自の貨幣である円を持っていて、日本銀行アベノミクスを先導している。
本当にラッキーだった。
独自の貨幣を持たないユーロ圏のギリシャとは違うのだよ。
そこを理解せずに、ギリシャと比較して日本も危ないとか言っている連中はすべてブロックしても困らない。
大きなことをつい考えるが、自分の生活にも関わってくる。
流動性、この要素があるために自分は借家を選んでいる。
ローンで自宅を建てる人たちの気が知れない。
(借方)きれいな家/(貸方)住宅ローン負債
要するに、新築の家に招かれて見えるのは借方のきれいな家だけなのだ。
そこでつい羨ましいと思ってしまう。
しかし、その裏の貸方には住宅ローンという負債が同額で張り付いている。
そこは見えない。
怖い。
とはいえ、住宅ローンで家を建てる人たちがいないと経済が回らないのも事実なのだろう。
自分はそこには乗っからない。
流動性が低い固定資産で裏側に住宅ローンという負債を抱えるより、現金や投資信託といった流動性の高い流動資産で資産は持ちたいのだ。
流動性は自由の金銭的側面ではないだろうか。
本書では日本の20年にもおよぶデフレについても詳細な記載がある。
書かれているように、一分の権力者にとってデフレでも構わないのだ。
だから日本ではデフレ政策が長年維持された。
弱い立場の人間が苦しんでも関係ない。
清貧の思想とか、すでにある程度の資産を持っている連中の趣味に長年つきあわされてきたのだ。
だから、総理大臣を投げ出して、自分で稼いでいない遺産で趣味の世界に逃げ込んだ元首相が今さら反原発で出てきても、信用なんてできないではないか。
なぜ左翼はアベノミクスのような政策ができなかったのか。
なぜ民主党政権財務省と結託して消費税増税をやってしまったのか。
多少のインフレの方がいいのだ。
それはバッファになる。
デフレになりそうな状況において、実質金利を引き下げる余地になるのだ。
その話はわかりやすかった。
だから、2%のインフレ目標がいいのだ。
それすらできなかった黒田総裁以前の日銀は屑だ。
何の役にも立たない。
白川とか、何やってたんだろう。
バカなんじゃないか。
今となってはそう思う。
後知恵かな。
銀行による信用創造
私が銀行に預けた100万円は誰かに貸し出され使われる。
自分が100万円持っているのに、誰かも100万円使うのだ。
要するにトータルとして200万円のマネーサプライになっている。
それが信用創造か。
資本主義経済におけるお金は血液の流れのようなもので、血流が止まるとよくない。
常にお金という血液が流れている状態が健康なのだ。
デフレマインドは、血流も止めてしまう。
そんなこんなで、私が思いついた案は、ベーシックインカムだ。
ベーシックインカムの議論になると財源をどうする?といった反論がすぐに飛んでくる。
それって、財務省に支配された歳入/歳出といった世界から抜け出せない発想のような気がした。
つまり、日銀がお金を刷って、国民にベーシックインカムとして直接配分すればいいのではないか、というアイデアだ。
財務省を通す必要はない。
通常、日銀がマネーサプライの量を増やすためには、国債を買取ることでお金を増やす。
それをベーシックインカムでやってしまえ、という案だ。
ヘリコプターマネーも同じようなことではないか。
今、自民党総裁選があっているけれど、石破茂さんは緊縮財政派だろう。
財務省とも親和性が高そうだ。
今、そんな人に総理大臣になってもらっては困る。
消費税増税もやるだろう。
本当に困る。
この一冊で妄想はいくらでも広がる。
学者であれば、一つ一つ根拠を付けていくのだろうが、その必要はない。
仮説として持っておけばよい。
間違っていると思ったら、大胆に転向すればいいのだから。
たくさんの仮説を。

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