ひたすら今・ここにとどまる姿勢〜ソレン・ゴードハマー『シンプル・ライフ』を読んだよ

ソレン・ゴードハマー『シンプル・ライフ』を読んだ。
読みやすい。
Kindle版なので、ハイライトしながらどんどん読む。
目新しいことはなかった。
すでにこの手の情報は十分かもしれない。
項目を絞って、集中してシンプルに実践するだけだ。
表紙を見ると、著者名より「佐々木俊尚」の方が大きくて苦笑した。
本を日本で売るためには仕方がないのだろう。

マインドフルネスがキーワードだ。
今・ここに集中することが大事だってことは、もうわかっている。
あとはその実践、そして身につけること、自分にインストールすることだ。
自分なりには、フラットというキーワードをずっと考えている。
たとえばネガティブな感情をフラットに自覚する。
そんなイメージだ。
過剰にネガティブに落ち込んだり、逆に無理にポジティブになったりしない。
事実をフラットに受け止めることだ。
そして、その事実やまつわる感情を「放牧」することだ。
感情の放牧は本書ではなく、自分がよく使うイメージだ。
否定も肯定も強化もしない。
感情が湧き上がって、心の中にとどまり、やがて去って行く。
それに任せること。
感情をコントロールしようとしなければいい。
ネガティブな感情を気晴らしにツイートするのは、感情を強化して良くない。
思いがけず他人も巻き込んでしまったりする。
怒りがやって来たときは、スマホを手放した方がいいかもね。
このスマホSNS との距離感もらったら本書では語られている。
バランスだよね。
フォースと同じ。
デジタルツールを否定する必要はない。
朝晩離れるのはいいかな。
起きてすぐ、Twitter をしない。
寝る1時間前にはスマホを手放す。
そうした感じかな。

行き詰まったときは、行き詰まったままでいい。
それも納得できた。
現状をそのまま認識して、待つこと。
オバマ大統領の北朝鮮に対する戦略的忍耐は失敗したが、時には忍耐が必要。
情報を頭に入れて「バロウズ方式」で答えが脳という自動機械によってはじき出されるのを待つ。
それもまたアクションの一つだ。
闇雲に動いてあがけばいいものでもない。
こんな風に、本書を読んで、考えて、自分の知識と接続することで色々広がっていく。
それが読書の効用だと思う。

「成功を目指して行動すると同時に、結果にこだわらない姿勢」1433
自分はこのコツを身につけるのに、大学浪人を2年も費やしてしまった。
二浪の年には、大学合格という結果にこだわらずに勉強した結果、成績が上がった。
結果、大学に合格した。
コントロールできない要素は諦める。
北朝鮮の情勢とか、不安に思っても仕方ない。
自分が今やるべきことに情熱を集中させれば、それでいい。

行き詰まりに話が戻ると、思い出したのは、吉本ばななの『アムリタ』だ。
正確な引用ではないかもしれないが、「自分の限界を知る、ということは新しいレベルの真実の領域を見つけるということだって、ユーミンもセナもジョン・C・リリーも言ってるよ」という言葉があった。
行き詰まり=限界に到達することで、その壁の外には、新しい領域が見つかる。
進撃の巨人』での調査兵団による壁外調査もそうした可能性へのチャレンジの試みだ。
エレン・イェーガーの情熱。
「やむにやまれぬ心」(『八重の桜』)。
そのような情熱が無い、今の自分は、じっと行き詰まりの状態で待つことだ。
のんびりやろう。
村上春樹さんも、小説は書けるようになったら書ける、といったことを言っていた気がする。

以上、書いたことは、本書の内容そのものではないので、興味がある人は実際読んでみると、違うじゃん、って思うだろう。
そこがまたおもしろい。

シンプル・ライフ 世界のエグゼクティブに学ぶストレスフリーな働き方

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