なんて読みやすい文章なんだ。『エリック・ホッファー自伝』、原題は Truth Imagined 「構想された真実」と訳されている。かっこいい。
なんで今まで読んでいなかったのだろう。
読みながら、たくさん引用した。自分の中にインストールするために手書きで抜書きした。万年筆カクノで。
本を引用する時は、左手で本を開いて押さえながら、右手でノートに書く。だから、デジタルよりアナログ。必要があれば、ノートからEvernoteの転記する。この場合、両手が必要になる。左手で本を押さえながら、右手でスマホのフリック入力という手もあるが。
しかし、本を読みながら抜き書きするのも度を過ぎると疲労の原因となる。読書そのものが快楽ではなく、苦痛となる。抜き書きは適当でいい。
逃げるホッファー
何かを得てしまおうとした瞬間に本能的に逃げ出してしまうホッファーに、ある種の病を感じた。定職や美しい女性から逃げるホッファー。普通の人であれば、逃げたりしない。むしろ飛び付いてそれらを得ようとする。そこをホッファーは逃げる。永遠のよそ者であることを志向する。
希望より勇気
- 希望→自己欺瞞、損なわれやすい、とりかかるのはたやすい
- 勇気→理性的であるがままにものを見る、寿命が長い、やり遂げる
GRITという概念に近い。不屈の精神、インヴィクタスのネルソン・マンデラを思い出す。
弱者の機能
弱者を弱者として肯定しているホッファー。ニーチェを批判している。おもしろい。これは自分には無かった視点。ニーチェのように弱者の害悪しか見ていなかった。人類に対する機能が弱者にはある。深い。甘っちょろいヒューマニズムではない。
労働批判
一日六時間、週五日以上働くべきではないというホッファー。労働の後に本当の生活が始まる、という考え方。これはわかる反面、肯定できない。労働も含めてトータルで本当の生活ではないのか。
- 作者: エリックホッファー,Eric Hoffer,中本義彦
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2002/06
- メディア: 単行本
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