『藤田晋の成長論』を読んだよ〜藤田晋さんの強みは普通であること

CyberAgent America

読み通してわかった。藤田晋さんは自ら「すごく普通のことが書かれているけれど、実は忘れがちな大切なことが書かれている」と他人の評を引用していた。徹底的に普通でいれることが藤田さんの強みなのだ。奇をてらうようなところかまったくない。これはなかなかできない。真に頭が良くて、他者からの承認も必要としない内在的な自信があるのだろう。
どの言葉も説得力を持っているのは、藤田さんが腑に落ちた言葉のみで語っているからだろう。これもまたなかなかできない。つい流行りのかっこいい言葉を使ってしまいがちなところ。そういう流行り言葉で飾る必要も無いのだろう。

藤田晋の成長論』からはレポート用紙2枚分の「1ライン・サンプリング」(印南敦史)を行なった。
その中で、今の自分のポジションでは、深く考えて現状の問題を解決していく「問題解決力」が最重要だと思った。その際は、自分が関与すべきではない問題に注意とあった。ある程度、今の部署に慣れてくると周囲のあれこれが見えてきて、つい自分の問題ではないのに、口出し手出ししてしまう。しかし、それは良くないのだろう。もっと私が解決すべき問題に集中すべき。いや、私が解決できることはほとんどない。解決するのは上の人間なので、私はそこをうまくコントロールしなければいけない。政治家を動かす官僚のような気分だ。

 問題解決のように頭を使う仕事は、手を動かす仕事に比べて仕事をしていないように見えるかもしれませんが、時には多くの時間を割いてでも深く考えることが大切です。35p

手を動かして忙しくしていると仕事をしている気分になる。そこに落とし穴がある。エッセンシャル思考だと思う。仕事を絞り込まないといけない。手を出さなくても勝手に解決する問題がある。そこは放置すればいい。その見極めが重要だろう。
akizukid.hatenablog.com
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普通であることが凄い藤田晋さんは、私がキーワードとしている言葉でいう「マッチョ」だと感じた。見城徹さんとの本でも感じる。
マッチョという言葉は次のブログを基本としている。決してプロテインを飲んで筋肉ムキムキであることを意味しない。
d.hatena.ne.jp

「すべて自分の責任」と覚悟し、言い訳しない(12p)とか、「憂鬱な仕事をどれだけ抱えているか」(39p)とか、「信念を貫く人は、目的のためなら譲るべきところはあっさり譲ります」(83p)とか。藤田さんなら、「韓信の股くぐり」も厭わないだろう。この股くぐりができない人が意外と多いんですよね。妙にプライドを持って仕事している人。自分の考え、やり方に固執する人。大きいゴールが明確であればそのためであれば、自ら折れることができる。それが真のマッチョだと思う。

藤田晋の仕事学』も読もうと思った。

追記 2016/06/05

藤田晋さんの愛読書は『ビジョナリー・カンパニー』だったと思う。そこから見えるのは、藤田さんは、サイバーエージェントをビジョナリー・カンパニーとして作ることを目標としている。自分などは、サイバーエージェントのビジネス内容をほとんど知らない。また、その目標からは、カリスマ経営者である必要は無い。藤田さんもそこを志向していない。

藤田晋の成長論

藤田晋の成長論