情報はどんどん積ん読すればいい

情報を無理に消化する必要はない。
情報に栄養のバランスとかないのだから、読みたい情報を本当に必要なタイミングで読めばいい。
だから、Kindleでは積ん読しておけばいいし、Evernoteにクリップしたページも放置していていい。どちらも物理的な場所を占めるわけではないから便利。

情報の胃もたれに注意。Evernoteにクリップした情報を何が何でも消化しなきゃいけないことはない。40歳になって、和牛を食べると胃もたれをするようになった。情報についても同じで、必要な情報を必要な量だけに制限した方がいい。

読書や情報収集でも、シングルタスクを基本にしようと思っている。40歳は、若さに頼ったマルチタスクからエッセンシャル思考でのシングルタスクにシフトした方がいい年齢だと思う。
羽生善治さんが、晩年の大山康晴永世名人を引き合いに出して「大局観」という話をすることがある。年齢を重ねると複数の読み筋を読むことがきつくなる。そこで、大局観である程度選択肢を絞り込むことが重要になる、という話。シングルタスクもそれに近い気がした。違うかも。

読書でまず実践している。ドゥルーズスピノザ』を読了した後、すぐにKindle版『エチカ』を買って読み始めた。Kindleには他にまだ読了できていない本が10冊ほど「積ん読」されている。しかし、今はスピノザに集中する。
しかし、須賀敦子さんの『遠い朝の本たち』で父親からすすめられた森鴎外渋江抽斎』がおもしろい。これもKindleで読める。

とはいっても、飽きたら次の本に移る。今まで通りの並行読書法だが、一冊を継続する時間を意識的にのばす。できる限り集中する訓練をしよう。
そのためには本当に必要な情報を必要なタイミングで読むことだろう。そうしないと集中できない。逆に言えば、集中して情報を読むために、その情報が本当に必要な時に読むことだ。
その情報に集中できない、ということは、今は必要じゃない、ということだ。

ニーチェは、読書は他人の頭で考えることで、本当に何かを生み出す時に読書してはいけない、ということを書いている。情報のインプットし過ぎ、情報の食べ過ぎには注意した方が良さそう。

ポイントは、その情報が今、真に必要かどうかを判断する力だろう。その能力が無いと結局、どれも必要だと感じて情報に溺れてしまう。ああ、その見切りの能力が将棋で言えば大局観なんだろうね。