フラットというキーワードで束ねる

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photo by PeterThoeny

最近のキーワードは「フラット」です。

たとえば、セックスについてフラットに語る、のように使います。この場合、淡々とという意味。男はどうしても冗談にしたりしないと語れないようです。家入明子さんとか、女性の方がフラットに語ることができる傾向を感じます。

先日の錦織圭さんのテニスに対して、松岡修造さんが「ゾーンに入った」という解説をされました。このゾーンに入る、というのもフラットと言える気がします。余計な力みや意識が無く、フラットなプレーをする。それがベストの状態じゃないでしょうか。明鏡止水という感じです。

GTDの発案者であるデビッド・アレンも、明鏡止水という言葉を使っていました。Ready for anything.
仕事ではこの状態をキープしたい。

ポジティブ過ぎず、ネガティブ過ぎず。
私が頭に置いている言葉に、

認識においては悲観的に、行動においては楽観的に

というのがあります。元々はユダヤの諺かな?そういう感覚です。
あるいは強度の高いpositiveと強度の高いnegativeの緊張感で見た感じはフラットに見える、という状態。

梅原大吾さんが、休日はなくていい、と書いていたのも、自分はなんとなくわかります。その方がペースを作りやすい。時々特別なイベントがあるより、フラットな毎日を充実させた方がいい。
日常生活もフラットにする。
梅原さんが個別の大会の勝敗にこだわらないのもフラットな感じがします。
スポーツでは、ガンバ大阪遠藤保仁選手がフラットな姿勢でサッカーに臨んでいる感じが見受けられますね。
そしてフラットな姿勢でいる方が実は結果も出やすいのではないか。

矛盾するようだが、結果に固執しないと結果が伴う。実体験として持っているので、そのことはよく分かっている。『勝ち続ける意志力』1648

仕事や子育てがフラットにできるようになれば、人生の達人に近づける気がします。
子どもに対しても、苛々を減らしてフラットに対応したいところです。
マインドフルネス。

芸術的には、ポップアートアンディ・ウォーホルですね。そう考えると、昔からの自分の美学にも「フラット」というキーワードがしっくりはまります。クールとは違うフラット。クール・ジャパンではなく、フラット・ジャパン。
このブログのタイトル「シリアルポップな日々」もフラットに繋がる感じですね。

「平坦な戦場でぼくらが生き延びること」は岡崎京子さんだったでしょうか。これもフラット。
フラットは生きるためのエチカでもあります。美学と言ってもいい。
生のアート化。art of life.フランス語では、art de vivre.それを「フラット」というキーワードで束ねてみよう。

ちなみに私の思索は、トーマス・フリードマン『フラット化する世界』を一切踏まえていません。

クリック・モーメントのためには意識をそらした方がいい。他分野への興味を広げるなど。マルクス柄谷行人の「交通」という概念を思い出しました。
この意識をそらす際、肯定も否定もしないフラットな視点が良さそうです。これは夏目漱石の『草枕』では「非人情」、ヴェンダースの『ベルリン・天使の詩』では「天使の視線」に当たる気がします。
そうやって特定の対象に集中することなく見る。そうすることでクリック・モーメントに気付く可能性が高くなるのではないか、というわけです。
引越して慣れない時の街並みを眺めるような感じにも通じる気がします。そういう時は色々な発見があります。
集中して何かを見ようとするとついついいつもと同じような見方になってしまいます。初心に返って見るためには、フラットな視線を意識したらいいんじゃないかと。
ベルリン・天使の詩』の場合は特定の女性に集中することで、天使から人間になったんですよね。恋愛は、フラットでいられない状態だと思います。一方、『草枕』の場合は、非人情という味方で那美さんと恋愛関係に陥るのを防いでいるわけです。

また、そうした発見を受け入れるオープン・マインドも必要ですよね。

  • フラット&オープン・マインド

『賭けの考え方』という本では「ステージ4」
局面において唯一重要なことは正しい決断を下したかどうか、それだけに集中できている状態。ある意味、結果に無関心。

色んな意味で「フラット」を2015年のキーワードにしようと思います。
自分のアクションをフラットで束ねる。そういう軸になる概念です。