係長の勉強〜出口治明『部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書』

ライフネット生命出口治明さんの本。これは係長一年目の自分にぴったりの本でした。そのまま実践するかどうかは別として知っておいていい情報が多いです。Kindleで購入したので、仕事の合間などに時々読み返すにもよいですね。Androidスマホからでも読むことができます。本当にKindle Paperwhiteは便利ですよ♪

稟議制のデメリットも耳が痛い組織で働いています。本当に責任の所在が曖昧になります。出口さんが言うように「決定権を持つ者が、一人で決める」べき(248)なんですが、その決定権を誰が持っているかよくわからない。決定権を持っているくせに決定しようとせずに決めたことに問題が起こると●●が勝手に進めたと言い出す始末。あるいは汗をかかずに口だけは出したいタイプ。責任をとりたくないなら決定権を手放して黙って全部俺に投資しろ!ってエレン・イェーガー(「進撃の巨人」)じゃなくても言いたくなります。「協議」はみんなで話し合うことで決定は一人で行うべき、というのもうなずけます。これができる組織にしないといけませんね。
 

部下に任せること

これを自分は意識しています。

自分で考えもせずに「答えを聞きに来た部下」は相手にしません。事前に「案」を考えてきた部下にだけ、相談に乗っていました。(676)

まさしく自分が考えていたこと。部下を育てるためには、徹底的に考えさせることが必要。とりあえずわからない言葉があったらGoogleで検索してみればいいですよね。上から順番にさらっと目を通すことでその言葉の雰囲気がつかめます。それをつかんでおくだけでも人に聞いた時の吸収率が違ってくるはずです。あと、そのタスクの最終的な目的は何か?人から振られた仕事であれば振った人が望んでいることは何か?を考えてみるのもいいです。しかし、最終的には責任は自分がとる。また、部下を動かすには「必死に働いている姿を見せる」のが最も現実的。係長になった時にリーダーシップについて色々情報を集めましたが、結局、自分ができることをしっかりやるってことかなと。「進撃の巨人」で言えば、ジャン・キルシュタインを見てそんなことを思いました。

読書の効率性

出口さんはインプットのためには「人から学ぶ」「本から学ぶ」「旅から学ぶ」の三つしかないと言います。中でも読書は、費用対効果が著しく高いと。人から学ぶのは仕事において可能です。そして、旅はフルタイムの仕事をしているとなかなか難しい。よって、サラリーマンの自分は読書をすべきってことですね。そこにKindle Paperwhiteがきました。Kindleでは、著作権が切れた古典を無料で読むことができるものもたくさんあります。出口さんも、「1冊の古典は、ビジネス書10冊に勝る」と書いています(1041)。たとえば最近読んだ中では、高神覚昇『般若心経講義』がよかった。仏教の勉強になると同時に生きる指針になります。ここから関心は禅の方向に進んでいます。

感情のコントロール

出口さんは、上司は「感情の起伏」を抑えた方がいいと書いています(1280)。これは私が苦手としていることです。要するに短気。すぐにカリカリしています。相手に直接ぶつけることはほとんどありませんが、周囲は苛々している自分の姿を見ています。これは上司としてはよくありませんね。たとえば何か私に相談したいことがあっても私が苛々していると話しかけにくくなってしまいます。しかし、よい点としては私の怒りはあくまでアクションに対するものであって、その人の好き嫌いは仕事に影響を与えません。ここは自画自賛していいところです。むしろ自分と合わない、嫌いな人ほど何か教わるべき点があるはずだと考えているくらいです。
怒りの感情をコントロールする方法として、出口さんは、

  1. 体調を整える
  2. 深呼吸する

というのを挙げられています。どちらも納得です。体調を整えるという点では、やはり睡眠時間を確保することが一番ですね。寝不足だと怒りっぽくなります。深呼吸は、最近読んでいる小林弘幸さんの本にからめると自律神経のコントロールに繋がるんだと思います。また、所作によって感情を治水のようにコントロールできると思います。治水のように、というのがポイントです。決して無理にコントロールするわけではなく、川の自然な流れを利用しつつうまく都合のいい方向に導くようなコントロールですね。

まだまだ色々書けそうですが、とりあえずこの辺で。