結果にこだわらないと結果がでる〜オリンピックの残酷さ

タイトル通り、結果にこだわらない方が結果がでるのではないか、という話です。ソチオリンピックを見ながら考えていたことです。
まずは自分の大学受験の経験から。

大学受験

私は大学入試に2年失敗しました。1年目は自宅浪人しましたが、再度失敗。2年目は予備校に通いました。二浪してようやく受験のコツをつかんだ気がします。それは、結果にこだわらなくなった、ということ。センター試験や2次試験を目標にするのではなく、日々の勉強そのものが楽しくなったのです。結果、成績がよくなりました。たまたまセンター試験でも高得点をとることができました。結果、センター試験のみで受験できた大学に余裕で合格できました。これはセンター試験で高得点をとるという結果のために勉強した、とは違うんですね。

長期戦の戦い方

ちきりんさんが絶賛していた梅原大吾『勝ち続ける意志力』を読みました。

矛盾するようだが、結果に固執しないと結果が伴う。実体験として持っているので、そのことはよく分かっている。(1644)

この辺りにまさしく自分が二浪時代につかんだコツと同じ感覚が語られています。ちきりんさんが、子どもの教育に本書をおすすめしていたのもわかる気がします。梅原さんが書いているのは、長期戦の戦い方だと思います。だから、勝つための方法ではなく、勝ち続けるための方法になっています。同じく大会をあまり重視しない、ということも書いています。

大会を重視する行為は、自分の成長のリズムを崩すと知っているからだ。目標に過ぎない大会に固執せず、目的である自分の成長に目を向けている。それが「勝ち続ける」ことにつながってくる。(1658)


押井守監督も、ハリウッド進出にこだわらないことを書いていた気がします↓
押井守監督の「勝つために見る映画」:日経ビジネスオンライン
押井監督の勝負論も長期戦の戦い方ですよね。言わば「映画を撮り続ける意志力」です。

ええと、恋愛もそうですよね。ナンパに成功する人は、何十人と声をかけて、断られてもそこで落ち込んだりせずに次の女性に向かうことができる人です。

オリンピックの残酷さ

この点、オリンピックというイベントは残酷な仕組みです。4年に一度。それを自分の唯一の目標にしてしまった途端、スポーツは苦行になってしまいます。特にアマチュア競技にとってオリンピックは重すぎるように見えます。
スノーボードハーフパイプの日本人メダリストの二人は、オリンピックをそれほど重く考えていないように見えました。もちろん特別な大会でしょうが、彼らは日常的に賞金のある大会に参加しています。その競技生活の中でオリンピックにおいてもメダルという結果より、自分の滑りを見せることに集中していたような気がします。
また、スノーボードパラレル大回転で銀メダルをとった竹内智香さんは「表彰台に上がれた今日はすごくうれしかったけれど、この何年間かやってきたことの方が、価値があると思う」と言っていました。注目されるのはオリンピックの結果ですが、価値はそこまでの長いプロセスにあるということです。そういった価値観を自分なりに納得してもっておかないと辛い競技生活になると思いました。