ベン・バーナンキ『リフレが正しい。』高橋洋一[監訳・解説]を読んだよ

最近、リフレが正しいと思っています。反論も読んでいますが、リフレの方が説得力があります。
たとえば経営者としては素晴らしい稲盛和夫さんですが、戦前のインフレの記憶のせいかリフレ的な政策には懐疑的なようです。それは仕方ありません。
中国とは「徳」で接せよ:日経ビジネスオンライン
野口悠紀雄さんの場合は戦後のインフレの記憶?
しかし、現在の管理通貨制度下での状況に対して昔の記憶を持ち出されても有効じゃない気がします。
つまり、

  • リフレは正しい

その思いを強くした読書です。
以下、レバレッジメモ。
知った風なことを書いていますが、勉強中のノートをそのまま公開しているようなメモなので容赦願います。

レバレッジメモ

ベン・バーナンキ高橋是清を評価
高橋是清という人は、もっと評価されるべきのような気がします。

黒田東彦総裁の日銀、リフレ政策=異次元ではない、当たり前の政策
「黒くても白くてもデフレ脱却できる日銀がよい日銀」

アメリカ=柔軟で効率的な労働市場と資本市場、企業精神
「日本とは違うのだよ、日本とは」
日本よりアメリカの方が資本主義のダイナミズムに対して素直な社会というのはありそう。
アメリカはコストゼロでドルを作れる(日本も円を作れる)→ギリシャとは違う
「ギリシャとは違うのだよ、ギリシャとは」
この一点で、ギリシャの事例を持ち出して日本の財政の危機を煽る人は信用できない気がします。

  • フィッシャー効果

流動性の罠」に陥っている日本?

  • 制限された自由裁量
  • 目標の独立性 goal independence
  • 手段の独立性 instrument independence

バーナンキが言っているのは「手段」のみ
白川方明は両方を主張?
「目標の独立性まで与えている日銀法そのものがおかしい」(高橋洋一

  • 1997年 日銀法改正 operational independence(政策運営上の独立性)

官僚的には一旦、曖昧に与えられた独立性は死守しようとするだろうね。

インフレ目標

  • 「目標」は政府が関与する
  • 「オペレーション手段」の選択は中央銀行が行う

白川前総裁→デフレ脱却できず、円高不況
→デフレって、既に十分な資産を持っている人たちにとっては都合がいいんですよね。つまり、資産を持った高齢者や日銀総裁。政治はそういう資産を持った高齢者のためにある。ゆえに日本では消極的デフレ政策がとられていたようなものだと思っておけばよさそうです。

  • 物価水準目標

政府債務の95%は国内保有、59%は公的機関
→このことがどういうことなのか、自分も本当に理解していません。
国の借金そのものは問題じゃない。だから、国民一人当たりなんて計算したニュースは無意味。それより金利の支払いが増えるのが問題。
ところが、インフレになれば税収の自然増が利払い増を上回るんじゃないかという試算があります。財務省はおそらく意図的に税収弾性値を低く見積もっており、そのため試算において税収増が低く抑えられます。ここに財務省「嘘」がありそう*1
税収弾性値は3.13もあるのか : アゴラ - ライブドアブログ
↑これなんか高橋洋一さんに対する批判になっていますね。説得力もあります。うーん、どちらが正しいのかわからなくなってきました。

インフレ状況下では、政府にNOという中央銀行の独立性が重要となる。しかし、デフレ下では中央銀行は政府と強力すべき
財務省日本銀行が互恵関係を結ぶべき」

日銀官僚には無謬性がある→間違い続ける「日銀流理論」
→「良いデフレ」なんかも?
組織として間違いを認められない、というのは官僚機構の仕組みが悪いんですよね。
だから、日銀法の改正が必要という主張が出てくるわけか。

*1:この辺り自分の理解なので間違いあるかも。