坂口恭平『独立国家のつくりかた』を読んだよ

付箋をいっぱいつけました。こういうアーティストが私は好きなんですね。ソローアンディ・ウォーホルデュシャンジョン・ケージのような人。憧れもあります。自分は、ここまで徹底してやることができません。ほどほどの市民に収まってしまうからですね。


レバレッジメモ

2008年時点で日本の空き家率は13.1%、野村総合研究所の予測では2040年にはそれが43%に達する。
将来は家賃が下がる?中古物件を安く購入することができるか?
今新築をローン購入することがますます現実的な選択肢ではない気がしてきます。
周りでは、同じ世代がローンを組んで家を新築していたりするので、なかなか焦ります。見えるのは新しくて羨ましくなる家だけだからですね。だけど、見えないところでローンが世帯主に重くのしかかっているわけです。

海にいると気持ちが和んだ。玄界灘。いつも僕を受け入れてくれる。坂口安吾みたいな感じ。

何かを「変える」ことが革命なのではない。むしろ、革命がすでに起きていることを、思考の転換によって見つけ出す。「変える」→「拡げる」方法論。生き方は無数にあることに気づく技術。アート。生の拡張。
たとえば映画「SP」で堤真一が起こした「革命」。ああいうテロリズムではないアートとしての政治、政治としてのアート。

「おもしろいことはお金がかからない」(路上生活者の佐々木さん)
そして、仕事は、かりにお金がかからない生活ができたとして、それでもずっと続けていたいと思うようなことをやるべきだ。

レイヤー?層
坂口さんを理解するのに重要な言葉。繰り返し出てくる。

お金がなくても生きる権利はある。

  • 河川法第26条 河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、又は除却しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければならない。

ただし、憲法生存権の方が強い。だから、河川敷の0円ハウスは撤去されない。

社会システムや法律や土地所有や建築や都市計画を変えようとするな。
変えようとする行動は既に匿名化したレイヤーに取り込まれている。

「考える」とは何か。
「どう生きのびるか」の対策を練ること。サバイバル。この感覚がよくわかる。究極的には、私も家族が生き延びることしか考えていない。家族サービスとか、親戚つきあいとか、二の次です。重要じゃない。
実家への帰省においても、まずは家族を無事に移動させることにエネルギーを費やすので、それだけで疲労してしまいます。

本から離れるけど、私は、たとえば東京のビル群なども「自然」だと思っている。自然の生物である人間が作った人工物なんて、それが環境を破壊しようが何しようが所詮「自然」だと。環境破壊というのも、人間的な基準での話。地球にとっては、なんてことない。本当の環境保護は、どんな理由であれ早く人類が滅亡することかもしれない。しかし、それすら地球にとってはどうでもいい「自然」ではないか。
謙虚なのか傲慢か。そういう思いがあります。

家は本来、安い、簡単、壊れても建て直せるという三拍子そろった、生きるために必要な相棒なのだ。
モバイルハウス→鴨長明

なぜみんな試さないのだろう。
試せば試すほど、人間はどんどん智慧を身につけていく。そして恐怖心が和らいでいき、どんな困難な状態であろうと淡々と生きていくことができるようになる。

僕はいつも、頭で考えない。生理的な反応をもとに思考していく。
言葉の定義の問題かもしれないが、私は「生理的に」ということも「匿名化したレイヤー」にもとづいているんじゃないかと警戒します。自分の感覚すら疑わしい。

  • 土地基本法第4条 土地は、投機的取引の対象とされてはならない

本当に大事に作物を育てている農家であれば、ここは私たちの土地だと思うよりも、まずこれは与えられた土地であり、自分たちのものであると言い張ることは勘違いであると理解しているはずだ。

今の所有は重たいし、鎖でつながれている。僕はそのことに恐怖を感じるが、マイホームを持つことに恐怖心を持つなんてことは、どうやらこの世では狂っている人間の思うことと認識されているらしい。
よくわかります。私の生理的な感覚もここにあるのでしょう。ローンという鎖。自分の命と引き換えに建てるマイホーム。私が死ねば、家は家族の物になるというゲーム。

  • プライベートパブリック
  • 住民が勝手に作った公園

市民が勝手に行政に参加すること。

中沢新一文部科学大臣に任命(新政府)

プライベートとパブリックを二つにきっちり分けてしまうと見失うもの

原発から逃げるリスクと避難によって仕事を失ってしまい生活費を稼げなくなるリスクとを天秤にかける正論、、、生きることと生活費のことを天秤にかけてどうする?それが既に罠なのだ。
女性の本能的な中心感覚は生きることを重視していて、男性の本能的な中心感覚は生活費を重視している。それは男性が社会的な生き物だからかもしれない。あるいは、男性は女性以上に本能が壊れているのかも。
そこに子どもを連れて逃げようとする母親と留まろうとする父親の軋轢が生まれているのが現状か。
「中心感覚」という言葉は、finalventさんがTwitterで使っていたものです。この理解でいいのかどうか。

「新しい経済をつくる」ことこそが、これらの生きのびるための技術=アート
→「態度経済」
生きることの交換?コミュニケーション経済?
今日、NHKクローズアップ現代」でやっていた「ガバメント2.0 市民の英知が社会を変える」では貨幣を介さない交易が行政と市民との間で行われていた気がします。
主体的に参加すれば、行政への満足感もアップしそうです。

フラードーム→バックミンスター・フラー
『ホールアースカタログ』スチュアート・ブランド。これはスティーブ・ジョブズスタンフォード大学のスピーチに出てきたやつですね。
ソロー『森の生活』。ああ、やっぱりソローかと思いました。

  • 学校社会と放課後社会

学校社会は単数だが、放課後社会はそれぞれ無数に存在する。
硬直した社会を柔らかくするアート。考える社会。

新政府は徹底的に「考える革命」を起こしたい。Revolution of Thinking!

finalventさんの『考える生き方』に通じるところがあるような気がします。finalventさんは、それを市民と言っていると思います。つまり、市民革命。

「僕は初心者なので初版の三千部の印税は0円でいいです」
「ですが、もしもこれが売れたら、二版目からは印税を10%にしてください」
出版社との交渉。自分はこんなことはできなかったな。

Androidスマホ&クラウド「超」仕事術

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  • 「引くわけにはいかない」戦法

人間は簡単に諦める。だから、自分を操作する必要がある。そこで引くわけにいかない状況を作り出す。わざと追い込むわけだ。背水の陣。
行動力に「やむにやまれぬ心」(『八重の桜』)を感じる。

  • 「頭の中はカオスに、でもアウトプットはよりシンプルに」

固有の独自のレイヤーどうしの交感→交易
マルクス柄谷行人の「交通」という概念を思い出しました。
ただ人に会う。ただ生きる。「日常」。日記を徹底的に公表し続ける。

とにかく若い人が動かないと。天草四郎坂本龍馬高杉晋作。三十代まで。四十代以降は、金を出して人と人をつなぐ役目。実働は若い人。
この辺の感覚も「やむにやまれぬ心」ですね。
その心で「やりたいこと」ではなく、「自分がやらないと誰がやる」ということをやらないといけない。
自己実現じゃない。社会実現。

社会。実は自分のシステムではない。僕たちの無意識がつくった匿名化したシステム。養老孟司さんの「唯脳論」っぽいですね。

  • 「生きるとは死ねないこと」

死ねない環境をつくることが「生きる」ということ。
坂口さんは、書いていないけど、ファミリーマネジメントジャーナル★リンク★fmj的には、家族をつくることも「死ねない環境」をつくることだろうと思います。こう読むとその感覚は、徹底的に家族が生き延びることを中心に置いている私の感覚に近接してきます。

断定する責任。断定して、責任を負う。そして、議論する。そこから批評が生まれる。
間違っていたら、改めればいいよね。今は、Twitterでも過度に誤りをおそれている。だから、多くのフォロワーがいるような人でも、自分の間違いを認めない。それは自分を守るためなのだが、そこには批評は生まれない。というか、態度経済も交易も生まれないのだろう。
坂口恭平さんとある種の反原発の人たちを分ける線。

自分の体や心、思考を機械とみなす。エンジンは使命。自分の欲望をエンジンにすると止まってしまう。
この感覚はウォーホルに通じるかな。
そして、私も自分をたとえば子育て機械とみなすようなことを好んでいます。
モチベーション不要の子育て術 - Togetterまとめ
なぜ機械に愛がないと決めつけるのだろうか? みんな日本人なら、ドラえもんを知っているはずなのにね。

死のうと思うこと。絶望することが実は力だ、という発想。行動する力ではなく、自分が大きな眼になるような力。これは「病者の光学」みたいなものだろうか。
自殺願望が怒った時に、何かしようとすると死んでしまう。よって、何もしないこと。ただ見ること。その力があるのだから。そういうことか。

  • 0円特区

人間はお金を稼がなくても生きていける権利がある。新政府の政策。
生活費が0円になれば、自分で人生を選ぶことができる。何もしたくない人は何もしなくていい。それでは退屈なので、何かしら行動する。お金のためでなくても、たとえば公園を作る。NPO活動でも、ボランティアでもいい。

友人のブラジル人は、いつもバナナばかり食べていて、一番面倒じゃなく、お金もかからずしかも栄養価も高い最高の食事だと。
とうもろこしも、栽培が簡単というか痩せた土地でも育つと聞いたことがあります。

0円特区では、基本的なエネルギーを12ボルトにしたい。100ボルトより便利。
自分で電気を作る方法があるのかもしれません。

  • 菜の花の油

移動している時の方が思考が活性化する。
日本は移動費が高い。
しかし、私は移動はストレスが大きい。出張、実家への帰省。

だらだらとメモを書いてきました。坂口さんの言葉と自分の言葉がぐちゃぐちゃになっていますので、ちゃんと本を読んで引用してくださいね。

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)