「困ってるひと」を読んだよ

大野更紗 @wsary 「困ってるひと」を読んだ。筋膜炎脂肪織炎症候群、と書いただけで満足してしまいそうな難病にかかった女子大学院生のエッセイです。闘病記では無いと著者は言う。
一言で言えば「壮絶」。
ツレがうつになりまして。」が軽い風邪のように思えるほど壮絶な戦い。しかも、戦っているのはうら若き女子大学院生。
でも、読むと何だか元気が出る。悲壮感は感じない。それは著者の意気でしょう。あるいはユーモアかなあ。

映画化

宮崎あおいで映画化してはどうだろう。あるいは蒼井優。「おしり大虐事件」はどう映像化しようか迷う。

明るい私小説

わたしは何故かこれまで、難病をカミングアウトするかどうか、という類の葛藤を感じたことがない。

というのを読んでピンときた。「ツレがうつになりまして。」と一緒なのだ。どんどん自分をオープンにする。悩まない私小説という感じなのだ。これがおもしろい。
悲惨な状況を深刻に伝える必要は無い。

非人情

あるいは、これは正岡子規「病床六尺」に匹敵するのではないかと思いついた。
思いつきをどんどん書いているだけです。
写生文。自分のことも写生する。それは、夏目漱石で言えば、「草枕」で提示された非人情の視点ではないだろうか。
自らをも非人情で一幅の画のように眺めるのである。