山崎恵人『GIGAZINE 未来への暴言』を読んだよ

おもしろかった。GIGAZINEの骨太さが改めてわかる気がした。正しく政治的です。もう一度RSSに登録しようっと。
以下、読書によって私が考えたことの一気の羅列です。

団塊世代への勝手な期待

結論での「無料であるものに対価を払う」のも、パトロンになるのも、退職して既得権益から離れて覚醒した団塊世代になるのではないか、という勝手な期待を私はもっている。それは自分の親の世代だからでもある。
団塊世代は若い時に学生運動を経験していたりするではないか。その経験とインターネットが融合すれば、革命の力になる。貯金は少なく、年金生活も厳しいかもしれないが、時間はたっぷりあるわけです。
もちろんうっとおしい方向へ覚醒する人たちもいるでしょうが。

自分の子どもたちを不幸にしたくない親たちが、旧世代であるにもかかわらず旧世代を裏切り、新世代の味方をするようになるとき、そのきっかけになるのは間違いなく「インターネット」です。

明治維新はミドルの力で

退職した団塊世代が革命のリーダーとなるイメージ。西郷隆盛ではなく島津斉彬坂本龍馬ではなく勝海舟後藤象二郎ではなく山内容堂になってもらいたい。そして革命の実践を担う若い世代のミドル層を支援してもらいたい。そういう勝手な期待をもった。
あ、この辺、『未来への暴言』の内容とは直接関係ありません。
読書は接続ですから、私の思考と本が融合して生まれた妄想がおもしろいわけです。

京都大学カンニング問題

山崎編集長は「入試の時にパソコン持ち込み可・インターネット可であれば大学の教授はどういう問題を作るのか?」と書いています。さすがですね。すぐれた本は時として現実に起こる問題を予言していたかのような記述を生みます。
大学の入試関係者は、一度は暗記などによらない、カンニング無意味となるような試験問題というものを真剣に考えてはどうでしょうか。
私などは、センター試験があるので二次試験はある課題に関してレポートを書かせた上でその内容について続けて面接で質疑応答する、という形式はどうだろうかと思っています。これだとレポートをコピペしても質疑応答でボロが出ます。

ツイッターに書けないことはしないという倫理

 可視化される、記録されるというインターネットの特性は「見ていなければ何をしてもいい」というクローズドな現実とは真逆の世界です。ソフトウェアにおける「オープンソース」や情報の公開、共有、透明性というものがどれだけのメリットをもたらしているかを考えれば、インターネットのこの可視化されて公開されて共有されるというプロセスは、現実世界において最終的にはよい影響をもたらすはずです。

よって検察の取調べは可視化すればいいでしょう。国の政策決定や予算作成のプロセスもオープンにすればいい。ツイッターに書けないようなことはしないというモラルが企業や組織、官公庁に必要となってくるのかもしれません。構成員にツイッターを禁止するような組織は早晩ダメになるんじゃないかな。たんなる思い込みですが。
個人としては、ツイッターに書けないようなことはしないというエチカを私はもっています。それがいいんじゃないかと。

個人がリンクする世界

gihyo.jpで「Androidメモアプリでライフハック」という連載をしています。そこでEBtというメモアプリを取り上げました。メモ同士がリンクでつながっていくメモアプリで、Evernoteなどとは一線を画した思想で作られています。私がイメージするインターネットの世界は、このEBtのメモ同士のように個人がリンクする世界です。
山崎編集長も「個人の力の最大化」=「インターネット」と書いているので、そういう思いをさらに強化した次第です。
たとえば、ツイッターで500人のフォロワーがいて、生活に困っているから寄付をくれ、とツイートして500人中100人が千円ずつ寄付してくれれば10万円となり当座をしのげます。超小額決済サービスも含めてこの辺りの発展も楽しみです。もちろん寄付してくれるためには普段の信頼やリスペクトが大事でしょうし、本当に困っていることを納得してもらうためにはたとえば家計簿の公開などもする必要があるでしょう。
超小額決済システムがあれば、私はEBtやtwiccaの作者に少しでも寄付しようと思っています。今でもAndroidマーケットに同じアプリを有料で登録してもらえればいいんじゃないかな?後は、ドコモの電話料金と一緒に決済できて、金額も自由に決められたらいいですね。

義務教育には新聞ではなくインターネットが必要だ

最近、新聞業界も危機感を感じているせいか、教育業界に食い込もうとしているようです。教育に新聞を、というキャッチフレーズ。醜悪です。ジャーナリズムで食えなくなって、既得権益に食い込もうとしている。もはや末期症状のようにも見えます。
教育業界もひどいものです。共犯ですね。義務教育には、新聞なんかよりインターネット教育が必要です。とはいえ、インターネット教育できる教師が足りないんでしょうね。仕方ないので、私は自分で子どもたちを教育しようと思っています。
山崎編集長は、その他に、

  • お金の使い方
  • 自分のコントロールの仕方
  • 健康を保持する方法

というのを教育すべき事項に挙げています。
どれも大切ですね。お金の使い方は、山崎元さんを師匠に教えようと思っています。消費ではなく投資する、というお金の使い方を教えます。
自分のコントロールの仕方は、エチカということを教えたい。モラルではなく、自ら選び取るエチカですね。自律した個人となるためには必要なことです。あと治水事業としてのメンタルコントロール。
健康を保持する方法としては、自分をよく知ること、そして具体的かつ実践的な性教育が必要だと思っています。
どれも今の義務教育に期待はできません。

とまあ、ほとんど山崎さんの本とは関係ないことを思いつくまま一気に叩きましたが、これはこれでおもしろいのでそのままブログにアップしますね。
ツイッターで、オートクラインという言葉を教えてもらいました。私は、ツイッターでつぶやいたり、言葉を書いてブログにアップしながら考えるタイプなのです。

GIGAZINE 未来への暴言

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